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宮高(水葉さん)
(宮地さんの家でお家デート)
どうしよう、心臓の音がやけにうるさい。
運動後のドキドキなら簡単に静められるのに、これは反則だ。
そんなことを考えているうちに、さらに心臓は脈打つ。
宮地さんに聞こえるんじゃないかって心配になるくらい。
最終的に自分はこんなにも女の子めいたやつだったのかと、軽い自己嫌悪にまで襲われる始末で。
「高尾?」
急いで熱い頬をジャージの袖で隠す。
そうじゃないと宮地さんの方を向けそうにあない。
「なんですか」
「緊張してるだろ」
だって、しょうがないだろ。
この部屋あんたのにおいしかしないんだぜ
。
あんたの物しかないんだぜ。
だって、宮地さん。
「彼氏の部屋なんスから」
「え、和成くんは、エロいこと期待したの?」
ニヤニヤしながら宮地さんが俺の頭を撫でる。
大きくてあったかい手が、優しいぬくもりが俺の鼓動を穏やかなものにしていった。
「宮地さん」
「あ?」
「俺はいつでも、宮地さんとのエロいこと考えてますよ」
俺の頭を撫でていた手が頬まで下りる。
ああ、キスされるんだなあって冷静になった頭で予測したのに。
「あれ、してくれないんですか」
「お前がもっと可愛く誘えるようになったらな」
そう言って宮地さんが俺を抱きしめた。
どうやらこの人は、俺の鼓動を思い通りにできるらしい。
「心臓速いな、おまえ」
あんたのせいだよ。
そう言おうとしたけど、唇が塞がれて言えなかった。
何にって、それは秘密ね。
(宮地さん、しないんじゃなかったんスか)
(何と無くしたくなったんだよ)
END
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