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宮高宮(悠さん)

虚しくはないんですか?

高尾にそう聞かれた事がある。


「何が」

「…別に」

虚しいと思った事はない。

でも、殺してしまいたいとは、そりゃもう。


毎日。


お前さえいなけりゃ、幸せだったのに。

口内で響く言葉を噛み砕く。

唾液でとかして、無理やり飲みこんで。

胸が焼けるように熱くなって、吐いて。




「和成」

その腕をつかんで引き寄せる。


「宮地サン、俺は愛してますよ」

熱が伝わる刹那、更に胸が焼けるように熱くなる。

こんな事を繰り返していたら馬鹿になる。

わかっているのに。

「宮地サン今日は上と下どっちがしたい?」

俺を覗きこんだこいつの顔があまりにも綺麗だったから。

もう何も考えられない。






殺したいくらい愛してる。

言葉にしないだけ、ありがたいと思えよ。

触れ合った身体は、溶けて一つになっていく。

「和成、大嫌いだ」

「ははっ、嘘つき」




無意識のうちに高尾の首に指を巻きつけていた。




「死ねよ」


「アンタになら、良いかも」


泣きたいなら泣けば良いのに。

本当に馬鹿な後輩。


「おやすみ宮地サン」






その指に、グッと力を込めた。





(終わったら、俺も行くから)

(あ、真ちゃんも連れてきてくれます?)

(絶対嫌だ。轢くぞ)

END






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