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ブンニオ(モブ男さん)



仁王の口の中はあまい。

そう言うと、お前の方が甘いと本人は怒るけど。

俺の甘さは多分人工的な甘さだし、菓子の味だと思う。

でも仁王のは本当に甘いんだ。


「ブンちゃんは、変なことばっか言うのぅ」

だってこいつのあまさは、砂糖の甘さなんかじゃない。

もっと深くて、優しくて、それでいて微かに苦くて。




「ブンちゃん?聞いとるんか」



それはまるで。

「いやぁ、青春だなぁって思ってよ」

それはまるで、お前を思う俺の心みたいで。


本当にこいつのことが好きなんだと、あらためて感じた。


「…顔、赤いぜよ」


「…お前こそ」


赤く色づいた頬は、甘くて、やわらかそうで。

あぁ、もう好きってレベルじゃねぇな。




「ブンちゃ…」


「ちょっと、味見…」




(ほら、やっぱり甘かった)



END



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