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春に寄り添う龍




「弁当がどうかしたのか?」
「あ、待っ」


ひょい、と取り上げられ蓋を開けられたそれ。


「……ククク…」


龍仁は肩を震わせて………笑っている。


「わ、笑うな!だから見せたくなかったのに〜っ」
「悪い悪い、いや、春海に似合ってると思うぞ?」


両脇に手を入れられ、軽々と抱き上げられいつの間にやら龍仁と向かい合っていた。


「似合わなくてもいい!」


手をジタバタさせながら抵抗してみたが、まったく効き目無し。


「そういえば、来週から学園祭の準備が始まるんだったか?」
「うん!」


この高校は、以外と行事が多い。春には、交流会。夏には、学園祭に水泳大会、秋には体育祭と芸術展覧会。そして、冬は……

まあ、それはまだ秘密にしとこっかな。


「春海のクラスは、何をするんだ?」
「喫茶店……て、いい加減降ろしてよー…」
「それは無理だな」


腕を突っ張ってみるが、そんなの気にしてないように腰に手を回す龍仁。






「俺ら、完全に見えてなくね?」
「は、春海…(不良怖い不良怖い不良怖いよー!!)」
「完璧に二人の世界だ」
「胸やけがしてきた…」
「…俺も。」


俺の頭を撫でる龍仁の手が気持ち良くて、後ろの会話は全然耳に入ってこなかった。



「ノブ、疲れてない?」


教室にもどる途中、聞いてみれば


「……不良怖い。(それに、胸やけが…)」



と返って来て、具合が悪そうにしていたのでそっとしておいた。




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あきゅろす。
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