CAN’T CRY
私を救ってくれると言ってくれたあなた
ありがとう
ありがとう
あのね、
私にはその気持ちだけで十分だから…
【CAN’T CRY】
きつく回された腕には暖かさがあった。
私はそれに甘えてしまいそうで、泣いてしまいそうで、
どうしようもなかった。
「アレン…私は……」
言葉を紡ごうとするも、それをキスという形で遮られてしまった。
苦しくて、強引にアレンを押しのけた。
「＊＊＊…」
「ごめん…」
「君は僕を救ってくれたのに、僕では君を救えないんですか…？」
ズクンと心に突き刺さる言葉と、アレンの切なげな表情にはどうしてよいのか全く持って分からない。
ただ1つ言えるのは彼を拒んだ事によって、彼を傷付けたということ。
「私は…救われたいって思ったことないよ？」
そう言った瞬間に、アレンは怒りを湛えた瞳で私を捕らえた。
「違う…君は心の中でいつも泣いてる……」
「！」
アレンの言葉に心が跳ねたのを感じながら、もう1度抱きしめられた。
今度はやさしく、甘く。
「どうして泣いているんですか？」
わからない
わからないよ
どうして泣いているのかなんて、わからない
どうして心がこんなにも
悲しくて
寂しくて
切なく傷むのかなんて
わからないよ…
私が泣きそうなのに耐え言葉を閉ざすと、優しい声が少しだけ辛そうに紡がれる。
「＊＊＊。大丈夫です。
僕が傍にいますから。」
やさしく、甘く。
頭を撫ぜるのは、まだ幼さの残る綺麗な手。
私の望むものはきっと
私自身を望んでくれる存在。
イノセンスじゃなくて
―――わたしを。
「…ほしい。」
「え？」
「アレンにずっと傍に居て欲しいよっ…！」
アレンに子供のように抱きついて泣きじゃくった。
いつも貴方は私の欲しい言葉をくれる。
「約束します。だって僕は、＊＊＊が好きだから…」
―――ずっと一緒にいますね…
ほら今も。
欲しい言葉をくれた。
優しい腕の中、暖かなぬくもりにつつまれて。
心の涙が形となってあらわれた。
「アレンて不思議ね。」
笑みを零しながら言うと、疑問を抱く貴方。
流れる涙を拭ってくれるのは、
わたしのだいすきなひと。
End
あとがき
ここまで読んで下さり、ありがとうございました〜
そして物凄く意味不明ですみません。
書いているウチに収集付かなくなってしまうなんて、最悪ですね。
でも『Don't Cry』の続き物として、女の子視点でも書きたかったので、載せてしまいました。
日々精進したいです！
2007.3
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