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小説
ようこそ迷子センターへ!(刀剣乱舞)
ここは多くの審神者が利用する繁華街。
万屋や甘味屋、服、小物等々、ありとあらゆる店が政府の管理で(一応)成り立っている。

この繁華街は本丸にある転送装置で来る事が出来る。
ただし、人数は審神者を入れて3人までという制限付きだけどね。

ちなみに多くの国(今では21)があるが、この繁華街では、その全ての国が交流することが出来る唯一の場所・・・なんだが、まぁ、こんだけ審神者やそのお供で来ている刀剣男士が居ると、時々、いや確実に迷子が現れる。

そんな迷える子羊・・じゃなかった審神者や刀剣男士を見つけ、保護し、主の元へ又は、刀剣男士の元へ返すのがオレの役目な訳だが!
一番良いのは迷子がない事なんだけどな!

だから、ちゃんとお手手繋いでおけよ!

あ、自己紹介がまだだったな。
オレはこの繁華街の迷子センターに5年程勤めている名前は・・・迷子センターの兄ちゃんだ!

え?名前にしちゃ、長いって?
いやいやいや、そこは気にしちゃ駄目だって。
そんな些細な事ばっかり気にしてちゃ、禿げるぞー。

まぁ、気にした奴は禿げたとして!

歳は20半ばで、性別は男。
好きな食い物は、和菓子だ!
性格は陽気!元気!あ、陸奥守や愛染みたいな性格だと思ってくれればいい!

なぜ、この仕事に就いたかは追々話すとして、一旦、自己紹介は終わり!
そろそろ、この繁華街が賑やかになる時間だから、仕事に戻るぜ!
さーて、今日も一日、迷子もなく平和にのんびり勤務出来るといいんだけどなー。


ж

【午前11時】

朝から賑やかだったのが更に賑やかになっていると感じ、時計を見るともう11時。
あー、お昼の時間にも近いからかーとぼんやりと考えながら、目の前の監視モニターを見るオレ。

あ、このモニターで、何かトラブルとか起こってないかを確認するのもオレの仕事のひとつなんだ!

まぁ、今の所何もトラブルらしき事は起こってないなー!ちょっと早めの飯食いに行こうかなー!とか考えながら伸びをしようとしたら、迷子センターの戸が開く音がしたよ!!


うん、腹が鳴る前にさくっと解決しよう!


ж


玄関に向かい、入り口付近に立っている一人の女性審神者を発見!
うーん、この審神者ちゃん、かなり困ってるなー。
よし、明るく元気に接して、不安を取り除こう作成開始!!あ、笑顔は絶やさずな!

「ゴホンッ ようこそ!!迷子センターへ!!!」
「ビクッ」

あれ?出だしミスった感じかな?
まぁ、後から取り戻すとして!

「何かありましたか?」
「え・・あ、あの・・・ここって迷子センターで本当に良いんですよね?」

あれれ?さっき伝えたと思ったが、テンションの高さが可笑しすぎて、迷子センターだと判断されてなかった感じか?!
んー、まぁ、追々理解してもらうとして!

「はい!そうですよ!ここはこの繁華街唯一の【迷子センター】です!何か、お困り事・・・どなたかと逸れました?」
「あ・・・ここで間違いなかったんですね・・。えと、あの・・仰る通り、一緒に買い物をしていたアッキーくん・・秋田藤四郎と逸れてしまったようなんです。」

おお!アッキーくんとは珍しい呼び方!
相当可愛がってあげてるんだろうなー!
って、そんな場合じゃない!
話を戻して、経緯を聞かないと!
不安軽減の笑顔を添えて!

「なるほどなるほど、逸れてしまったのはどこで!とか覚えておられますか?」
「確か・・・小物屋を見ていた時までは一緒だったんですが、そこから次のお店に行く道中で居ない事に気付いて、慌ててアッキーくんを呼んで探してみたんですが、見つからなくて・・どうしよう、何か危ない事に巻き込まれてしまってたら、私・・・」

道中で逸れて、呼びかけても返事がないというか見つからないのは、不安だよなー。
事件に巻込まれたとかそう考えても仕方ないけど、アッキーくんは偵察値がまだ初期段階かな?

「一つご確認したいのですが、お連れの秋田藤四郎のレベルはどれくらいでしょうか?」
「え?アッキーくんのレベルはまだそんなに・・。最近、審神者になったもので・・」

なーるほど、最近なったばかりなら、錬度も低いよなー。
ん?話口調がかなり丁寧になってて、さっきまでの勢いはどうしたって?はっはっは!一応仕事だから、丁寧な言葉を使ってるんだぜ!
自分で話してて違和感ばりばりあるけどな!

っと、話の続きしないと!

「分かりました。でわ、一度放送をかけてみましょう。」
「放送ですか?」
「はい、こちらから放送をかければ、秋田藤四郎もこの迷子センターへ来れるかもしれませんからね。」
「あ、じゃあ、お願いします。」
「でわ、そちらのソファに座ってお待ち下さい。」

ふぅー、変なしゃべり方になってないな!
さーて、新人審神者ちゃんをソファで待たせて、いざ!秋田藤四郎を呼ぼう作戦開始!!


ピーンポーンパーンポーン♪


『こちら迷子センターです!本日、●●店舗の小物を見た後、移動中に女性審神者さんと逸れてしまった秋田籐四郎くん!主さんが超心配してるよ!今すぐ、ゲート付近にある迷子センターまでいらっしゃぁぁぁぁい!』


ピーンポーンパーンポーン♪


これでよし!
ん?あれ?審神者ちゃんが何か思ってたのと違うという
顔をしているぞ?

うん、そこは気にしちゃいかんよ!ってことで、5分経っても秋田藤四郎が来なかったら、探しに行かなきゃいけないから、準備だけしとこうかなー。

「あ、あの・・」
「はい、いかがなされました?」
「先ほどの放送で・・その・・・アッキーくん来てくれるでしょうか?」
「大丈夫ですよ。秋田藤四郎なら、ちゃんと審神者さんの元に戻ってきますよ。っと、言っていた傍から来たようですよ。」

にこりと笑いかけながら、玄関先に審神者ちゃんを誘導すると、そこには半泣き&息を切らしたアッキーくんこと秋田藤四郎くんが居たよ!

「あ、アッキーくん!!」
「しゅ、しゅくぅぅぅぅん!!ずびばぜん!僕が・・僕が・・勝手に移動してしまったばっかりにぃぃぃぃぃ!」
「大丈夫・・大丈夫よ、アッキーくん。あなたが無事なら私はそれで充分よ。」
「しゅくぅぅぅぅん!!」

感動の再開は何度見ても泣けるぜ!
あ、オレの顔酷い事になってるから見ないでね?

「あ、あのありがとうございました!無事にアッキーくんと会わせていただき、本当に本当にありがとうございます!」
「ぼ、僕からもありがとうございます!」
「いえいえ、無事に再開できて、こちらとしても嬉しく思いますよ。今度は逸れないように気をつけてくださいね?」
「はい!主君と手を繋いで歩きます!」
「そうすれば、アッキーくんと離れずに済みますので。」
「その方が良いと私も思います。」
「改めて、ありがとうございます。じゃあ、アッキーくんいこっか!」
「はい!主君!」

去り際にこちらを向いてお辞儀をした後、二人仲良く手を繋いで帰宅する姿を見て、また泣いてしまったぜ。

よし、顔を洗ってから飯食いに行こう!
あ、実は放送してる時に腹鳴りそうだったからあんな変なテンションだったのはここだけの話!

ん?通常と変わらないって?
うん!気の所為さ!

ж

【午後16時】

あれから、特に迷子もトラブルもないし、このまま平和に終わってくれぇ!とか思っちゃ駄目なんだと教訓を受けたよ!
ん?なんでかって?
そりゃあ、そう思った瞬間に迷子来たからね!

よし!午前中と同じようにさくっと解決しよう!!

ж

・・・っで、だ。
この状況どうすっかなー。

「あー、まずはどこで迷子になったか分かるか?」
「いや、なに、俺がではなく、主が迷子なんだ。そこの店先で茶を飲んでいたんだが、いつの間にか主が居なくなっていてな。もしかして、迷子にでもなったかと思って、この迷子センターという所に来たわけだ」

おおぅ・・・まさかの審神者が居なくなるパターンか。
てか、鶯丸くんよ、どちらかというと君が迷子になってないか?
お兄さんの勘では、そんな気がするんだが?!
って、口調が丁寧じゃないって?
いやー、さっきと同じように話したら、鶯丸くんに普段通りの話し方で良いって言われちまったからなんだよなー。
うん、そんなに違和感あるか?オレの話し方?
まぁ、そこは置いといて、話を戻そう!

「何時頃まで審神者さんと居たか覚えてるか?」
「さぁ?細かい所まで気にしていないからな」

うん、アウトォォォォォォ!
そこは気にしよう!
仮にも君の主だぞ!!

「ああ、だがそこの茶屋に入ったのが15時ぐらいだったのは覚えている」
「15時ということはおやつ時か。一時間の間にだから、もしかして、何かその主さん言ってなかったか?」
「いや、言ってないな」
「本当に?」
「ああ、ひたすら茶を飲んでいたからな」
「・・・・うん、何かオレ、嫌な予感しかしない」
「まぁ、このままでは主と本丸へ帰れない。そこで君に昼間にかけていた放送をして欲しい。」
「うん、一応今からするけど、あの放送聴いてたんだな」
「ああ、中々に面白かった。主はびっくりしていたが」
「あはは、まぁ、そこで待っててくれ」
「茶を飲んで待っている。それにしてもここの茶は美味いな。」
「そうか?テキトーに買ってきたやつだが、そう言ってもらえるのは嬉しいな!っと、放送かけてくるから、そこから動くなよ!」
「ああ、任された」

さて、念には念を押したし、鶯丸くんはそこで待ってるとして、昼間のテンションで放送開始!

ピーンポーンパーンポーン♪


『こちら迷子センターです!本日、●●茶屋で一服していて、いつの間にか居なくなっていた審神者さん!今も茶を飲んで寛いでいる鶯丸くんが迷子センターで君を待っている!さぁ!今すぐ、ゲート付近にある迷子センターまでいらっしゃいましぃぃぃぃぃ!!』

ピーンポーンパーンポーン♪

ふう、最後、某ゲームキャラっぽい話し方になったが、誰も気付かないな!
そして、この放送に反応しない鶯丸くん。
お前、本当に茶が好きだな!!

とか思ってたら、外から凄まじい足音?いや走ってる音が聞こえてきた!と思ってる間に扉が壊れるんじゃないかという程にバンッ!と開けられてその先に、息切れした男審神者さんが居るよ!
うん、この審神者さんがこんな状況でも茶を飲み続けて寛いでいる鶯丸くんの主かな。

「ああ、主。何処行っていたんだ?」
「ぜぇ・・はぁ・・ぜぇーはぁー・・・っ!お前がどこに行ってたんだぁぁぁぁぁぁぁぁ!!この馬鹿丸!!」
「俺は馬鹿丸という名ではないぞ?」
「あ゛ー!!そうじゃない!いや、そうだけどぉぉぉぉぉ!!お前な!この近くにある店に少し買い物行くから、それまで茶を飲んで待ってろって言ったよな!!な・の・に!!何で待ってないんだ!!心配しただろぉぉぉぉ!!」
「・・・ああ、そういえばそんな事を言っていたような気もするな、まぁ、細かい事は気にするな」
「気にするわぁぁぁぁぁぁぁ!!」

おっと、嫌な予感が当たっちゃったぜ!
やっぱり、話聞いてなかったんだな、鶯丸くんよ。

「あ゛ぁ!もう!ほら帰るぞ!あ、お兄さん、この馬鹿が本当にほんとーに!お騒がせしました。ほら、お前も謝れ。」
「無事に迷子になっていた主を見つけられた、感謝する。」
「いや、お前だからな!!」
「あと、茶も美味かったから、また来ても良いだろうか?」
「駄目に決まってるだろ!!」
「あはは、休憩所と言いますか、待ち合わせ場所としても使えますので来ていただいても大丈夫ですよ」
「ほら!お前が阿呆な事を言うからお兄さんが気を遣ってくれたじゃないか!」
「なら、遠慮なく茶をいただきにくる」
「こら!」
「いえ、構いませんよ?審神者さんも良ければどうぞ」
「ホント、すみません!次はお詫びの品持ってお邪魔させていただきます。ほら、いつまで茶飲んでんだ!皆、土産楽しみに待ってるんだから、さっさと帰るぞ!」
「ああ、なら帰るとしよう。」

とまぁ、嵐のように去って行ったあの二人は無事に帰れたのかなー。
というか、土産・・・あんなに急いで走ってきて振り回してたけど、中身は無事だったのかな?
まぁ!無事だったと思っておこう!!


ж
【午後21時】

あんなに賑やかだった繁華街も今は人っ子一人居ないから、ちょっと寂しいじゃん!
だから、さっさと今日の報告書纏めて帰r「あーるじさん!!」・・・ゲフンッ!!


「げほげほ」
「あ、わりぃ」
「あははは、相変わらず元気だなー、愛くんは。」

っとさっき起こった事を書くぜ!
さぁ!報告書書くぜ!って活き込んだ瞬間に後ろから愛くんこと愛染国俊が突進してきたんだぜ!どうだー、ワイルドな愛くんだろぉー?

え?全然違う?てか、古いって?
・・・・気にすんな!

「なぁー、主さん!また変な事考えてただろー」
「おお!愛くん!良く分かったな!」
「そりゃあ、分かるって。変な事考えてる時の主さん、変な顔してるし」
「おおっと、それは不味いな!よし、今日からポーカーフェイスを取得するぜ!」
「・・・そんな暇があるなら、さっさと報告書とやらを片付けた方が良いんじゃないか?」
「アウチ!痛いとこ付いてくるよね!切くんは」
「あんたがそうやってサボって、こっちまで手伝う羽目になるんだ、しっかりしてくれ」
「ごめんごめん!」

っと、ここで出てきたのはしっかり者の切くん事、山姥切国広くん!
ちなみに、この子はオレの初期刀なんだよね!
え?審神者じゃないのに、なんで刀剣男士が居るかって?
実はこれには深海よりふかーいふかぁーい!訳があるんだよね!
ん?話を盛りすぎ?気の所為だって!

まぁ、何で居るかっていう理由を簡潔に言うと・・・・



オレの霊力が超ぉぉぉぉぉぉぉぉぉ少なすぎて、本丸運営できないからです!
ギリギリ、刀剣男士を二振り維持するのがやっとなんで、まぁ、審神者ではなく、こういった役職に変更になったわけなんだよね!

だから、切くんの兄弟刀をお迎えすることも出来なかったし、愛くんの保護者や見た目ショタなのに大太刀な子もお迎え出来ないんだよねー。

え?思ってた以上に重かったって?
まぁ、オレは全然平気だけど、この二振はどうだろうなーとか思ってるんだけど!そういう事考えてるのがすぐ分かるみたいで、現在進行形で片頬ずつ二振に引っ張られてます!

「い、いひゃい!」
「あんた、また俺の兄弟刀の事とか考えてただろ」
「主さん、顔に出やすいもんなー!」
「へもひゃー、ひゃっぱ、ひょこんひょころひょうなんらろーっへ(でもさー、やっぱ、そこんところ、どうなんだろうなーって)」
「前にも言ったが、俺は別に気にしてない。」
「そうそう!ここに居れば、国行や蛍には逢えるしな!」
「それに、あのまま本丸を運営していて、あんたが倒れてしまう方が困る。」「
「ひょまふ?(困る?)」
「あんたが溜め込んだ書類を俺達がする羽目になるからな。」
「主さん、結構、無茶するしなー」
「ひょ、ひょめんひょー(あ、ごめんよー)」
「それと・・・あの五振りの中から俺を選んで呼んでくれた。こんな写しの俺を写しとしてではなく、山姥切国広という一振りの刀として、見て接してくれた俺の主は、あんただけだから・・・だから、あんたに倒れてもらわれると困る。」
「オレも!オレも!主さんが初鍛刀で俺を呼んでくれて、オレの服に描かれてる愛染明王に気がついてくれて!そんでそんで!それを見た瞬間に『格好いい!!』って!愛染明王のことを言ってると思ったら、愛染明王の服を着こなしてるオレが格好いいって言ってくれて、すんげぇー!嬉しかったし!愛染明王の加護もついてるって言ったら、『その加護で君との巡り逢うという縁が出来たなら、凄く嬉しいよ』って!だから、そう言ってくれた主さんの為に、オレ!もっともっと!役に立てるように頑張るからな!だから、いっぱい使ってくれよ!」
「・・・・・・。」

あ、やべ、そんなこと言われたら超ニヤケるんですけど!

「あ、主さん、すげぇーニヤケてる」
「って、何ニヤケてんだ!あ、おい、あまり俺を見るな!」

切くん照れちゃって耳まで真っ赤だぜ!
照れてる切くん見る機会少ないから、もっと見ておきたいけど!
切くんが照れ隠しで更に頬を引っ張るのでそろそろオレの頬が死にそうです!!

「ひゅ、ひゅひゃひほも、ひょろひょろ、へ、ひゃにゃひへ?(ふ、二人とも、そろそろ、手、離して?)」
「あ、わりぃ!わりぃ!」
「あ、すまない」

あいたたたた、ずっと引っ張られてたから若干頬、伸びてる気がするよ!
でも、二人の愛ってことで、痛くも痒くもないさ!
え?引っ張りから解放されてからの開口一番が「痛い」って言ってたって?
ほら、つい何でもないのに言っちゃう言葉ってあるだろ?それだよ!それ!
だから、気にしちゃいけません!
ここ、重要!!


「とまぁ、二人にそう思ってもらえてて凄く嬉しいよ!だから、無理しないように気をつけるな!っと、改めて!二人とも、こんな不甲斐無い主だけど、これからもよろしく!」
「全力でサポートするぜ!主さん!」
「あんたを支えられるのは俺達ぐらいだからな。」
「ありがとう!という事で!早速なんだが、この提出資料手伝って?」
「それは、あんたがしろ」
「オレ、見回り行ってくる!」
「なら、俺も行こう」
「え、あ・・ちょっ!二人とも?!」

「「頑張れよ(!)、主(さん!)」」

「そんなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!切くーーーん!!愛くーーーーーん!!かぁーむばぁぁぁぁぁぁぁぁっく!!」










【本日の業務は終了致しました】


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