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小説
小さな足音 拍手御礼SS 8





小さな足音 拍手御礼SS 8

20110615〜0626

一周年記念SSのこぼれ話的な…



 「そういえば、けん兄とまさ兄は好き同士なんだな。」

ブファッ!!!

大和の発言にお茶を飲んでいた賢吾が盛大に噎せた。

 「あーもう、賢吾落ち着いて飲みなよ。」

ゲフッゲフンッと噎せ込む賢吾に知春がタオルを渡す。

タオルを口元にあてた賢吾が真っ赤になった顔を大和に向け、

 「なっ!?、なっ!?、何で大和がそないな事を!!!ど、…どういうこっちゃ!!俺とちかちゃんって!!そないなんちゃうで!!!」

焦り声が大きくなった賢吾を恵斗がジロリと睨む。

 「賢吾うるさい。咲良寝てんだから静かにしろ。」

恵斗の膝で寝ていた咲良が賢吾の声に反応しむずがり始める。

恵斗と大和があやすも機嫌が悪いようで、知春にバトンタッチする。

 「か、堪忍な。……ちゅーか大和……いや、大和君。なして俺とちかちゃんが好き同士なんやて思うんや?んー?怒れへんから云うてみ?」

冷や汗を浮かべた賢吾がヒクヒクと口元を震わせた笑顔で大和に詰め寄る。

そんな賢吾に大和は飲んでいたジュースのストローから口を離し、シレッと爆弾発言をした。

 「んー、この前おれたちといっしょに寝てたときにまさ兄が来て、寝てたけん兄にちゅーしてたから。」

 「ヒィー!!この前っていつ!!!大和と咲良とはしょっちゅう一緒に寝てるやん!!……って、ちゃうちゃう。なしてちかちゃんと俺がチューしとんねん。せやで、そんな記憶俺ないで……」

ウロウロと落ち着きなく歩き回り始めた賢吾がぶつぶつ呟く。

 「……恵斗、意地悪しないで教えてあげようよ。将親は賢吾が好きなんだって。将親も可哀相だろ。」

咲良をあやしながら知春が恵斗に耳打ちするも、恵斗は挙動不審な賢吾を見ながらニヤニヤ笑うだけで教えようとしない。

 「将親は寝てる賢吾にしかキス出来ないヘタレって教えるのか?」

 「いや…それは……うーん」

 「だいたい賢吾が将親の気持ちに気付いてないだけで将親は隠す気ないだろ。賢吾だけが気付かないとか将親可哀相くね?それに賢吾が自分で気付かないといけない事だろ。」

 「それはそうだけど…」

 「しっかし将親もこの年で長いことよく耐えれるよな。さっさと告っちゃえばいいのに。」

 「まぁ、将親もタイミングを待ってるんじゃないかな?」

そんな風に知春と恵斗が話しをしているのにも気付かず、賢吾はまだぶつぶつ「あの日か?ちゃうなぁ…じゃああの時か?ちゃうちゃう、じゃあ……」、と自分の世界に入り込んでいた。

そして爆弾発言を投下した張本人の大和は、反対側のソファーに寝かされた咲良の手を握り可愛い寝顔を眺めるのに勤しんでいた。



END



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あきゅろす。
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