小説
小さな足音 拍手御礼SS 5
小さな足音 拍手御礼SS 5
20101125〜20110325
「知春、恵斗、ちかちゃん!!見たって!!どう?俺カッコよくなったと思えへん!!」
ニマニマと笑みを浮かべた賢吾が腰に手をあて三人の前に立っていた。
「「「……?」」」
三人はそろって首を傾げ、将親に至っては「大丈夫か?腹でも痛いのか?」と心配気だ。
そんな三人の反応に賢吾はムキー!!と怒り、
「腹なんか痛なった事ないわ!!ちゃうねん!!よう見てみ!!俺変わったやろ!!イケメンになったやろ!!」
地団駄を踏み「何で分かれへんねん!!」と怒る賢吾に、知春が「あっ!!」と声を上げた。
「賢吾、髪の毛切ったんだ。色も少しオレンジっぽくなってる。」
その言葉に恵斗と将親は「ハァア?」と賢吾の髪の毛を見つめ、賢吾は嬉しげに知春に抱きついた。
「せやねんせやねん!!さっすが知春!!よう分かってくれたわ、ええ感じやろ!!ほんま知春はええ奴っちゃ。」
嬉しそうに知春に抱きつく賢吾に、恵斗が賢吾の髪の毛を弄りつつ、
「確かにいい感じにオレンジ入ってる。長さもちょっと短めになってるし…頭軽くなったな。」
「せやねん、オレンジええやろ!!短めにしたから頭軽なったで。俺イケメンになってん!!」
褒められた賢吾は再びニマニマ笑い出した。
「それ以上頭が軽くならないように気を付けろよ。」
将親の言葉に嬉しそうに振り返った賢吾は、
「うん。これ以上短くしたら中坊みたいになってまうからせえへんよ。」
賢吾の返事にニヤニヤする将親と、ブハッ!!と笑いがこぼれた恵斗に知春が「ちょっと二人とも…」と苦笑しながら声を掛ける。
「ん?」
今の会話におかしな所があったのかと不思議に思い賢吾はコテンと首をかしげた。
「「まぁ、これ以上軽くなりようがないよな…中身ないんだから。」」
将親と恵斗の言葉にたっぷりと一呼吸置いてから賢吾が反応した。
「ムキー!!!!どないな意味やねんそれ!!俺の頭ん中はぎっしり詰まってるわ!!こんのどアホぉぉ!!」
叫んだ賢吾が将親と恵斗に突進して行き二人はそれをヒラリと避わしつつ爆笑している。
そんな三人の放り投げた荷物をため息を吐きつつ知春は集めた。
「もう…ほら、恵斗も将親も賢吾も!!授業始まっちゃうよ!!」
それはとても空が高く、日差しの暖かい日のほんの一コマ…
ふと耳に入ってきた二組のカップルの会話が可愛く微笑ましかったので、四人組に置き換えてしまいましたw
何かがフッと心に入ってきて少し暖かくなりました。
こういった日常の何気ない会話で癒されるのっていいですね。
まだまだ本調子ではないですが、のんびりお付き合い下さいませ★
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