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小説
小さな足音&LittleFairy 1







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小さな足音&LittleFairy 1





「「ただいまー」」

本日知春と恵斗は久しぶりに子供抜きで外出し、ショップやゲームセンターやショッピングモール等若者らしい場所へ遊びに出掛けた。

子供達は知春宅に賢吾を招き二人の子供と共に留守番をして貰っていた。

しかし二人が帰宅し玄関を開けると中は静まり返っていた。

「居ないのかなぁ?どっか出掛けた?」

知春の言葉に恵斗は首を振る。

「いや、靴はあるから家に居る。……怪しいなぁ…。」

二人は顔を見合わせ嫌な予感を胸に家の中に入りキッチンに続く扉を開け、そして目に入った惨状に言葉をなくした。

普段はきちんと整理されているキッチンは至る所に白い粉が撒き散らされ、シンクには洗われていない調理器具が積み上げられ、テーブルの上にも白い粉とお皿とカトラリーが散乱していた。

暫く言葉もない二人だったが、フゥと大きな溜息を付き口を開いた。

「「賢吾!!咲良!!大和(やまと)!!下りて来い!!!!」」

その言葉に二階からドタバタと音が鳴り、二人を待たすことなく慌ただしい足音と共に階段を駆け降りてきた賢吾が両腕に抱えた咲良と大和を下ろすと廊下へ三人横一列にビシッと姿勢を正し正座した。

その姿をチラリと見た恵斗はキッチンを指差しながら、

「何か申し開きはあるか…」

尋ねれば三人はブンブン首を横に振ると、ガバッと勢いよく頭を下げた。

「「「何もありません…ごめんなさい!!!!」」」

声の揃った反省の言葉に二人は顔を見合わせ笑いを堪えた。

見事に三人ピッタリ息の揃った言動に怒りよりも笑いが込み上げてきたのだ。

しかしここで笑ってしまったら反省しない事は分かっているので恵斗はわざと怒った口調で、

「ここは俺らが片付けるからお前らは二階で反省してろ…」

その言葉に三人はそれぞれ「手伝う」だの「たいへん」等口にしたが、知春も怒った口調で、

「二階で反省!!いいな、二階で反省してんだぞ!!」

その言葉に三人はもう一度「ごめんなさい」してトボトボ二階に上がって行った。

「あいつら何したかったんだ?」

恵斗は腕を捲りながら惨劇のキッチンに入った。

知春も腕を捲りながらキッチンに入り白い粉を手で掬い匂いを嗅いだ。

「あっ…これホットケーキミックスだ…ごめん、多分これうちの咲良のせいかも。最近咲良ホットケーキブームみたいで、大方咲良が食べたいって我が儘云ったんじゃないかな?」

知春は恵斗に謝ると掃除を始めた。

「いやそうだとしてもうちの大和が絶対咲良にちょっかい出してここまで大惨事にしたんだよ。あいつ咲良の事大好きなのにちょっかいばっか掛けるから嫌われんだぜ。」

ウシシと恵斗は楽しそうに笑いながらも手は動きシンクを綺麗に洗っている。

「それは好きな子ほど何とやらってやつだろ。でもこの前咲良が熱出した時大和優しかったよな。ずっと咲良の手握り締めてやってただろ。咲良も大和の手離さないから大変だったよな。いやでもあん時の二人は可愛かった。」

「そうそう、大和もいつも素直にしてたら咲良の気を引く必要もないのになぁ。」

そんな親バカっぷりを発揮した会話をしつつ、二人は惨劇のキッチンに余り動じる事なく効率よくキッチンの掃除を進めた。





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あきゅろす。
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