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小説
1万hit御礼SS★(小さな足音)







1万hit御礼SS★





本日小川家の三人は揃ってお出掛けな様子。

ちまちまと御重箱にお握りとおかずを詰める知春と、朝から何やら楽しげな雰囲気を悟った咲良が咲良の着替えをしようとする洸輔の手をかい潜り右に左にキャッキャと走り回り大はしゃぎ。

「咲良!!待ちなさい!!ほらっ…」

洸輔に捕まり抱き上げられた咲良は嬉しそうに笑いながら洸輔の首にしがみつく。

「咲良は元気だな…その元気をパパに分けてくれ…」

苦笑する洸輔の顔には睡眠が足りていない色が濃い。

その訳は…昨晩洸輔はいそいそと早めに仕事を切り上げ帰宅した後、咲良をこれでもかと構い甘やかし遊ぶと一緒にお風呂に入り、そして早々と布団に寝かしつけた。

そして夕食の後片付けをしていた知春の隙を付き拉致すると暴れる知春を宥めつつお風呂にてまるっと洗い、ベットへ…

…という少々体力を使用する夫婦の事情で夜更かしをした為である。

洸輔の呟きを耳にした知春はお弁当を詰める手を止め、勝ち誇るようにふふん♪と笑い、

「こーすけ歳じゃないのー!!」

その声にピクッ…と洸輔の眉が上がり知春の方へゆっくり振り向く。

「ほう…知春。昨晩の回数では足りなかったと…そうか、それは気付かなく済まなかった。次からは妻に足りないと思われない様にもっと励む事にしよう。そうかそうか、若い妻をもつとおねだりが大変だな。」

ニヤリと笑う洸輔に知春は真っ青になりブンブンと大きく首を左右に振ると、

「……ゴメンナサイ…いえ、十分デス…こーすけさんもまだまだお若いデスヨ…」

「遠慮はいらないぞ、知春。可愛い妻のおねだりぐらいまだまだ頑張れるから心配するな。そろそろ二人目も頑張らないとな。」

ニヤニヤ笑う洸輔と真っ青な顔で首を振る知春のやり取りを不思議そうな顔をして見ていた咲良は、洸輔の顔を両手で挟みぐいっと自分の方に向けた。

「パパ、めっ!!まーいじめちゃ、めっよ!!」

真っ青な知春を見て洸輔が知春を叱っているのかと思った咲良は洸輔に怒った。

咲良に怒られた洸輔は咲良の頭を撫でながら、

「いや、咲良。パパはママを虐めてないよ。ママは逆に喜んでいるだけだから。」

洸輔はニッコリと笑い咲良に云い聞かせた。

後ろから、「喜んでねー!!」と知春の小さな叫びが聞こえたがあっさりスルー。

咲良は首をコテン…とかしげ、

「まー、うれしいの?」

「そうだよ。ママは嬉しくてしかたがないんだ。」

ニコニコと洸輔が嬉しそうに笑うので咲良も嬉しそうに笑う。

「お弁当持ってお出掛けするから咲良も着替えような。」

「あい!!」

手を挙げ嬉しそうに返事をする咲良に、「いい返事だ。」と答えいそいそと咲良の着替えをする洸輔を遠く見つめながら、知春は、

「咲良さん、俺ゴメンナサイしたのにパパに虐められるよ…どうしよう…」

着替えを終えた咲良は洸輔にお気に入りの麦藁帽子を被せてもらっている。

知春は無言で静かに御重箱を包み水筒にお茶を注ぐ。

「まー、どうしたの?おでかけだよ?」

咲良の頭の中はお出掛けでいっぱいになっている。

「パパ、まー、お出掛けやなの?」

出掛けるのが嫌なのか尋ねる咲良に洸輔は咲良を抱き上げながら、

「やじゃないよ。ママはお出掛けも楽しみだけど、咲良の兄弟が出来るのが楽しみなんだよ。」

ニヤニヤ笑う洸輔に咲良は、

「しゃくらおにいちゃんになるの!!」

ビックリした表情で咲良は洸輔に尋ねる。

「ああ、咲良がお兄ちゃんになるようにパパとママ頑張るからな。頑張ろうな、知春。」

「まー!!しゃくらおにいちゃん!!!!」

嬉しそうに知春に向き直る咲良に知春は乾いた笑みを浮かべ、

「うん、咲良さん近々お兄ちゃんになれると思うよ…」

やる気満々の洸輔の子作り宣言に口は災いの元だな…と切に思う知春だった…



ある晴れた小川家の日常は、そんなこんなで幸せ!?に過ぎている。





Fin



1万hitありがとうございます★
サイトを訪問して下さる方々にも幸せな日常があらんことを祈ります。
ほんにありがとうございました★

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