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小説
小さな足音 拍手御礼SS







小さな足音 拍手御礼SS

20100624〜0721





「ちょ!!咲良さん…キミは一体何を…してらっしゃってんだ!! 咲良!!そっちは階段あるから、めっ!!!」

天気が良かったので二階のバルコニーで布団を干そうと思い、知春は咲良をベットの上にお気に入りのぬいぐるみと共に寝かしつけた。

寝かしつけたはずだったのにふと目を離した隙にベットの上はもぬけの殻だった。

よく見ると上掛けと共にベットからずり落ちたであろう咲良がキョトンと座っていた。

そしてキョロキョロ周りを見回し開いてるドアを見つけると嬉しそうにニンマリ笑うと同時にハイスピードなハイハイで咲良がドアから出ようとしていた。

慌ててドアから出ていく寸前に咲良を捕獲した知春はそのままベットに倒れ込んだ。

フゥ…と深い溜息を吐き出しお腹の上に乗せた咲良を見た。

「お前は何でそんなにハイハイが速いんだ…まだ一歳にもなってないのに…」

ニコニコと笑い「まー、まー。」と云いながら知春の顔に手を伸ばす咲良の小さな手をパクっと銜えると咲良は「うきゃー!!」と楽しそうに笑う。

片手に収まるような小さな頭を撫でながら知春の口からまた溜息が出ていく。

「あと、ちょっと目離すと居なくなるその脱走癖…どうにかなんないのか、なぁ咲良さん…」

一歳にも満たない咲良に諭しても分かるはずもなく…

知春にくっつけるのが嬉しいのか咲良は機嫌良くニコニコ笑っている。

そんな小川家二人の日常は健やかにかつスリリングに満ちている…







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