a la carte
雨の日6
「暁…おっまえ、マジで蹴ったな」
いてぇ、と顔をしかめる藤真。
「だって藤真が悪いんじゃん。い、いきなりっ、あんな…こ、と…っ」
私は胸に手をあてて藤真から目を離した。まだ心臓がバクバクしてる。
ダメ。
全然頭が働かない…。
真っ白になってる私を見て、藤真は何が楽しいのかニコニコしているし。
一体何だっていうの?
「訳わかんねぇって顔だな」
「あ…当たり前でしょ…」
小さく答える私をじっと見ていた藤真は、ゆっくりと私の右手を掴んだ。
「……ぁ……っ」
思わず手を引こうとするも、しっかりと手を握られる。涼しい表情してるのに体温が高いから、こっちまで熱がうつりそう…。
ぼーっとしていたらいつの間にか藤真の腕の中で。
ホントに思考が止まったみたいに固まっていたら。
「暁、好きだ。」
藤真の爆弾投下でなにもかもがぶっ飛んだ。
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