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短編小説
4
「はぁっ、ああっーー」



 目の前が真っ白になった。

 忠明は身体をブルリと震わせ、射精した。

 今までにないほど濃い白濁は信士の手を汚し、若者の腹に散った。



「うっ、うんん…」



 一回だけでは終わらず断続的に精を吐き出す忠明の陰茎を、信士は擦り続ける。

 双球まで撫で上げられ、忠明は仰け反った。



「うぁ………も、もう…いい加減に…しろ…」



 あまりに強烈な絶頂を感じさせられて、意識が朦朧としている。呟く声はうわ言のようだ。

 腰がだるい。完全に力が抜けてしまっていて、若者に身体を委ねるしかない。

 唾液で濡れた忠明の顎に信士は何度も口付けた。



「オヤッサン…。好きですオヤッサン」

「シン………」



 霞む目で、忠明は若者を見詰めた。

 欲情を露にして自分を見下ろす信士は、まるで見知らぬ男のようだ。



 図体ばかりがデカくて、黙っていれば端整な顔にいつもどこかオドオドした気弱な笑みを浮かべている若者。それが信士の印象だった。

 お人好しで、性質の悪いヤツラに何度も騙されそうになったり、祭の準備でも要領が悪くて歳の近いヤツラに怒鳴り散らされたりしていた。

 忠明がそんな彼を見かねて声を掛けたのは、昨年の直会の時だった。

 まだ未成年だった信士を捕まえて半ばムリヤリ酒を飲ませ、青年部の仲間入りさせたのだ。

 それから信士はすっかり忠明になつき、何かとあとをついてまわるようになった。



 そんな若者を可愛いとは思った。息子のようなものだと。



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