短編小説
1
「うわっ、あっあっ…、んぁ………あ、も、もう…よせって…シン!」
囃子の音は途絶え、見物客たちのさざめきも遠くなった夜の森。すぐそばにある神社の社務所の門灯だけが木々の葉の隙間から射し込む。あの社務所では青年部のメンバーが集って酒を酌み交わしているはずだ。
初夏の祭の、最大の行事である神輿の渡御が終わり、担ぎ手たちは直会(なおらい)と称して高いテンションをもてあましたまま騒ぐのだ。
それなのに、青年部の中心メンバーであるはずの忠明(ただあき)は、その中に加わらずに、神社裏手の森の茂みで女みたいに喘いでいる。
つい先程まで一緒に神輿を担いでいた若者、信士(しんじ)のデカイ身体に押さえつけられて。
背中は木立の幹に押し付けられ、胸は信士の分厚いそれと密着している。
神輿を担いでいた時と同じ、半纏と腹巻と褌のみという姿だけに、剥き出しの胸元は肌同士が直接触れ合っている状態だ。
一度は冷えたはずの身体が熱い。信士の身体も燃え上がるようだ。
「オヤッサン…、オヤッサン…!」
耳元で熱にうなされたように呟きながら、信士は忠明の前に手を伸ばして一心に手を動かしている。
若者の大きな手が、褌ごと屹立を扱き上げる。
初めはざらついた感触だったのが、今はネットリと滑っている。グチュグチュと嫌らしい音にあわせて、忠明の腰はしきりに痙攣する。
太い茎を根元から扱かれ、エラの張った亀頭とグリグリと抉られる。
強い力に、容赦ない動き。そのくせ忠明の反応に合わせて甘く変化してくる。
ひっきりなしに快感に襲われて、堪らず信士の肩に縋り付いた。
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