短編小説
8
淡く色づく乳輪を、円を描くように撫でられて鳥肌が立つ。手足の筋肉が張り詰め畝を作るほど力が入り、太腿がわずかに震えだす。
「うあっ………」
ゾクリと甘い戦慄が走り、カルナは思わず声を漏らす。
既に刺激に反応して硬さを帯びていた尖りに、刺激が走ったからだ。
蛇の鱗の感触とは違う。先の割れた舌で舐められているのだろう。
乳首を蛇の舌で嬲られて、慣れた身体はその感覚を快感として受け止めてしまう。本人の意思など関係なく、身体は実に正直に、嬉々として反応し溶けていく。
夢の中でも、いいように弄ばれる。魂に傷をつける屈辱だ。
込み上げる苦さと怒りは膨れ上がっていくばかりなのに、肉体は易々と快楽の前に額づき燃え上がる。
熱が上がるにつれて、神経が過敏になっていく。まるで新たな自分が目覚めるように。
目覚めた自分は酷く淫猥な汚泥に塗れている。快楽に自ら溺れる矮小な生き物だ。
「やめろっ………!」
拒絶の言葉はシオンに対してか、それとも己の中の狂った獣に抵抗してのものなのか。
早くも溶けだした腰を無意識に振りつつも、カルナはかぶりを振って足掻く。無駄な足掻きだとはわかっていても、抗わずにはいられない。最後の矜持を死守するためにも。
「畜生っ、離せ…はなっ………あっ、ひっい………!」
何度も首を横に振っていたカルナは、目を剥いて全身を仰け反らせた。
胸を弄られているのはそのままに、今度は股間に新たな刺激が加わったからだ。
既に熱く勃ちあがり始めていた屹立に胴体を巻きつけ、その輪で竿全体を上下に扱かれる。それだけでグチャグチャと濡れた音が響き、下着の生地を透かすほどの先走りが溢れ出る。
毎晩のように魔物に抱かれ続けていた身体は、異常な状況であっても容易く快楽に溺れだすのだ。そしてカルナの最後の矜持をせせら笑う。
見えない蛇に嬲られて、陰茎はますます首をもたげていく。
赤く腫れ上がった先端はしとどに濡れ、尿道口は透明な滴を垂らしながら開閉する。蛇は鎌首をもたげたかと思うと、その先端にむしゃぶりついてきた。
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