短編小説
8
身体に鮮烈な衝撃が走った。瀬尾がシャツの上から乳首に爪を立てたのだ。
その鋭い痛みに首を竦めると、今度は思い切り摘まみあげてきた。
ワイシャツの生地ごとではあっても、その刺激もかなり強い。皮膚が切れるギリギリのところまで引っ張られ、痛みに呻き声が漏れる。
それでも瀬尾は指を離さない。伸びきった乳首をグニグニと揉み、上下左右とこねくり回す。
動かされるたびに戦慄が身体を貫く。
その強すぎる刺激が快感なのか痛みなのか分からない。けれど次第に、飢えた尻の奥の疼きと連動してくるような気がした。
胸を刺激されるたびに、尻の窄まりも呼応して痙攣する。ヒクヒクとその蕾の縁が蠢くのを感じる。
やがて乳首を弄られると下半身が反応するようになった。刺激が直接下に響く。
しかもその刺激は欲望を満たすものではなく、飢餓感を煽るものだった。
飢えが増す。
直接触れられたくて尻の筋肉が痙攣するくらいに。
双丘の奥はひくつき、口を開け、涎を垂らして待ちわびている。
もう、この強烈な刺激が快感なのだと完全に理解してしまっていた。
胸の小さな尖りを乱暴に抓られて、気持ちいいと感じてしまっているのだ。
―――畜生…!
目を瞑って首を何度も振ると、ようやく解放された。ワイシャツに皺が出来てしまっていた。
その皺が出来た生地を、立ち上がった乳首が下から押し上げている。
卑猥な光景だ。
佳克はカッと頬を染めた。いや、頬だけではない。耳朶も、首筋も真っ赤になっていた。
その鮮やかな色彩に見蕩れたか、瀬尾が口元を歪める。
そしてそのまま顔を下げ、佳克の胸元に埋めた。
「あっ! …バカ…ヤロ…っ」
今度は強く歯を立てられた。
乳首が千切れてしまいそうな痛みが走り、佳克の眦に涙が溜まる。
歯の力が緩み、宥めるように今度は舐められた。濡れた熱い軟体生物が過敏になった乳首の上を這いまわり、おぞましいと鳥肌を立てつつもその感触に溺れたくなってしまう。
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