[携帯モード] [URL送信]

短編小説
6
 だから帰ってきてからも口を閉ざしていたのだが、シオンは敏感にそれを察知したらしい。ご苦労なことだ。



「ああっ、ひっ、い!」



 ひときわ強く先端を擦られ、同時に根元を締め付ける蛇の胴体が緩む。

 カルナはうなじを粟立てながら股間を押さえようとしたが、遅かった。限界まで追い詰められていた自身が弾けた。ズボンを履いたまま白濁を中に撒き散らす。

 脳裏が白くなるほどの絶頂感。脱力してテーブルに突っ伏し、垂れ流す涎でクロスを汚す。

 そんなカルナにシオンの冷笑が浴びせかけられる。



「―――気に食わんな。何に囚われたか知らんが、お前の気が乱れるのは気に食わん」



 シオンは音もなく立ち上がる。長身ゆえに、離れていても彼が覆いかぶさってくるような威圧感がある。



「たかがエクソシストに惑わされるとはな。あまり我を失望させるな」

「…し、知るか…っ」



 荒い息の下、絶え絶えになりながらも言い返すカルナに、シオンはつかのま表情を和らげる。



「その気概、持ち続けてみよ。我が支配下にあるくせに刃向かってくる気力。それを失ったお前など見たくはないからな」



 カルナはその言葉を黙殺し、目を閉じた。

 いつの間にかシオンの気配は食堂からなくなっていた。





* * * *





[*前へ][次へ#]
[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!