短編小説
6
だから帰ってきてからも口を閉ざしていたのだが、シオンは敏感にそれを察知したらしい。ご苦労なことだ。
「ああっ、ひっ、い!」
ひときわ強く先端を擦られ、同時に根元を締め付ける蛇の胴体が緩む。
カルナはうなじを粟立てながら股間を押さえようとしたが、遅かった。限界まで追い詰められていた自身が弾けた。ズボンを履いたまま白濁を中に撒き散らす。
脳裏が白くなるほどの絶頂感。脱力してテーブルに突っ伏し、垂れ流す涎でクロスを汚す。
そんなカルナにシオンの冷笑が浴びせかけられる。
「―――気に食わんな。何に囚われたか知らんが、お前の気が乱れるのは気に食わん」
シオンは音もなく立ち上がる。長身ゆえに、離れていても彼が覆いかぶさってくるような威圧感がある。
「たかがエクソシストに惑わされるとはな。あまり我を失望させるな」
「…し、知るか…っ」
荒い息の下、絶え絶えになりながらも言い返すカルナに、シオンはつかのま表情を和らげる。
「その気概、持ち続けてみよ。我が支配下にあるくせに刃向かってくる気力。それを失ったお前など見たくはないからな」
カルナはその言葉を黙殺し、目を閉じた。
いつの間にかシオンの気配は食堂からなくなっていた。
* * * *
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