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短編小説
5
「うそだ〜ボクはタコ以下なんだ〜」



 両手で目元を覆って泣き真似をしつつ、リムはさりげなく翼を広げて脱出を試みる。いつまでも逆さ吊りにされていたら、頭に血が上ってどうにかなってしまいそうだ。

 パタパタと羽ばたいて身体を浮かせたその時だ。リムの言い様が分かって腹を立てたのか、巨大タコが派手に動き出した。



「やっ、やだっ!」



 次々と伸びてきたタコの足によって、リムの両手両足はすっかり捉えられてしまった。



 必死になって翼をばたつかせてもその拘束は緩むことが無い。ただ巻きつくだけでなく、大きな吸盤が肌にピッタリとくっついてくるから、痛いし気持ち悪い。



「も〜放してってばぁ!」



 白い顔を紅潮させて、リムは精一杯手足を引っ張った。しなやかな尻尾で脚に巻きつく触手の一本をバシバシ叩いてみるが、あまり効果はないようだ。



「こら、ウミくん! 放してあげなさいって!」



 下では当麻が必死になってタコを説得している。しかしタコは言うことを聞くどころか、さらに触手をリムに伸ばしてきた。



「きゃっ…ああん!」



 リムは悲鳴を上げた。その声に甘さが混じるのは、敏感な肌をタコの脚で撫でられたせいだ。

 背中の、翼の付け根部分がやけに感じる。何故か巨大タコはそのことを知っていて、足先を器用に伸ばしていじってくる。

 クチュクチュ…と音がするのは触手に纏わりつく粘液のせいだろう。

 触手の先で肌を撫で、吸盤で吸い付いてきて紅い痕を残す。リムの滑らかな背中はグッショリと濡れ、何とも淫猥な色に染められる。



「あっ、あん、ダメぇ〜」



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あきゅろす。
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