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短編小説
1
―――もう…いっそ狂いたい…………

 それとも……もう狂っているのか―――?



 それはどこまでも甘く、それゆえに地獄のような快感。

 腰から下が溶けてしまいそうな―――



「もう…やっ、やめ……ろ………っ」



 身体の奥で、内側で、ヌチャヌチャと卑猥な水音を立てて蠢くモノ。それが何であるかなど、考えたくもない。

 しかし、ソレはその存在を思い知らしせるように、傍若無人にうねって暴れる。ソレの張り出した頭部が、何度も敏感な奥処を抉る。鋭い喜悦に、背筋が反れる。



「うぁっ…んんっ!」



 衝撃に喘ぎ声が飛ぶ。

 ジュッと音を立て、腹の中のソレがさらに激しく突き上げてきたからだ。

 鱗に覆われた胴体が、最も反応してしまう前立腺を擦りたてる。

 内側からゴリゴリと嬲られ、その刺激に陰茎が痛いほど勃起する。



「や…やめろ………やめ…ろ………」



 呟く声はほとんどうわ言にすぎない。

 けれどそれは最後の抵抗だった。

 譲れない最後の理性の命綱。けれど、手放すのも時間の問題だった。

 うねうねとあり得ない動きをするソレが後腔の襞をグチャグチャにこね回し続ける限り、いずれは完全に陥落してしまうことは火を見るよりも明らかだ。



 それでも。いや、だからこそ抵抗する。



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