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シリーズ・短篇

顔中にキスをされ、首筋へもされ。
体のあちこちを撫でられて、テトはゆらゆらと尻尾を動かした。

「テト。わたしはお前を、嘘偽り無く、生涯の伴侶にと考えている」

頭から足の先まで、全身がうっとりと甘い快楽に包まれだした頃。
手を動かし続けてミオスが言った。
テトは今とても重要なことを言われたとわかったが、どこかぼんやりとしてそこから先へ考えが向かない。

「父上が亡くなられたばかりだし、お前もまだ子供だから時期をみてということになるが」

撫でられているだけなのに気持ちがよくて、テトはいつの間にかねだる様に身をよじっていた。

「いずれ正式に一族にも公表するつもりだ」

気付くと、テトは大事なところを避けて触られるのがもどかしいと感じるほど熱く酔っていた。

「ぼく……ぼく、一生ミオスに愛してもらえるの?」

喜びに満たされて、テトは水色の目をきらきらと潤ませた。

「ああ。お前を生涯愛する、テト」
「嬉しい…っ」

テトの溢れた涙を、ミオスがぺろりと舐めた。
快感に震えるのと同時に、心まで満たされていく幸福を、テトは全身で感じた。

「楽しみだ。お前が成長していくのが」

大きな体にすっぽりと抱き締められ、テトはふんわりと微笑む。

「おとなっていつなれる?」

子供っぽい問いに、ミオスは吹き出した。

「早くおとなになりたいっ」
「まだまだだな」

こんな質問をしている内はまだ。
それにミオスからしてみたら、テトが大人になったって小さいのは変わらない。
猫とライオンでは基本的な体格が全然違うのだ。
そういった点では、早く大人になろうが遅くなろうが大した変化はない。

「ぷぅっ」

子供らしく頬をふくらませて怒っているのも、ミオスには可愛らしくてしかたない。

「そう拗ねるな。一生はとても長いのだ」

獣人の生涯は長い。

「ゆっくり大人になればいい。わたしはそれを見ていられるのが楽しみなのだ」
「……そっか。うん。わかった」

大人になる憧れはひとまず置いておくらしい。

「長い時間を、共に過ごしていこう」

伴侶となる実感を噛み締める。

「お前はわたしの伴侶なのだから」

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