詩篇
30.doleful
黒い鳥籠に押し込めた魔王は
私ばかりか
心良きドラゴンも捕えて仕舞った
姫樣、其処で
何をして居られるのです
此の塔で抗わず歌い續ける
すべてのかなしみを歎きながら
無数に重なって届く
祈りの歌を耳に目にしながら
姫樣、何故に
泪されて居られるのです
貴方の小さな翅翼(しよく)さえ縛り
祈る者達の闇も拭えないまま
失ったものが瞼(まぶた)に映る
声の限り歌うしかない
すべてのかなしみに泣きながら
無数に重なって續く
祈りの歌を肉に血にしながら
此の塔で抗わず歌い續けて居る
すべてのかなしみを歎きながら
無数に重なって此処へ届く
祈りの歌を耳に目にしながら
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!