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紅の搭
魔王の目的
「うわぁ…」

大広間にはいろいろな姿の魔物がいた
ほとんど人間のような魔物から獣の姿の魔物まで
たくさんの種類の魔物で大広間はあふれかえっていた

「要様、こちらです」

ファイに案内され魔王の側に行く

「おはよう。要」
「あ…うん…おはよう…」
「ここにはもうなれたか?敬語じゃなくなっているからなれたと思ってたが…」

思えばいつの間にか僕は敬語じゃなくなっていた
おそらくこのフレンドリーすぎる魔王のおかげだろう

「まだ二日目だけど…魔王のおかげで少しはなれてると思う…」

なんて僕が言ったら魔王は凄く笑顔になった

「そうかそうか♪それは良かった」

話をしなくてはならないから後でなと言って魔王が去ったあとファイが

「要様はアキ様のご機嫌をとるのが上手いですね。我々ではなかなかあそこまではいかないのですが…」

むしろどうやったらあんな魔王の機嫌をあげるのが難しいのか全くわからない


しばらくしたら魔王が前のステージで話をし始め僕が魔物たちに紹介されたが

「何言ってるのかわかんない…」

小学校までしか学校に行ってない僕にとっては難しい単語が沢山あって難しすぎた
ファイになんて言ってたのか簡単に教えて欲しいと言うと少し不思議な顔をされたが親切に教えてくれた

・魔王やそのしもべたちはほとんどが違う世界に居た
・人間の世界に来た理由は人間と交流するのが目的
・しかし人間の世界に行くには神の力がいる
・神とは敵同士なので頼めない
・なので神の力を持つ子を探し、それが僕だった
・なんとか接触し人間の世界に来ることができ人間たちに交渉しに行った
・僕が寝ている間にに交渉は終わっていた

なんとかバカな僕にもわかることができた、が

「…じゃあ…僕ってもう用なし…?」

━━話では交渉は終わってるみたいだし、僕には用はないはず…
そう思うと途端に悲しみがこみあげてきた

「嫁に来て欲しいと言ったのも僕に接触するため…?」

困った顔をしていたのだろう
慌ててファイが

「いえ、あれは絶対に本気ですよ。アキ様は嘘でもあんなことは言いません。もし、嘘ならば要様に世話役なんてつけませんし、そもそも今、ここにはいないと思います。」

そうファイに言われ考えてみると
━━いらないのなら服なんて用意してないはずだし、世話役なんて着けないはず…
そう思った

普通の人ならまだ疑ってるかもしれない
だけどバカな僕はそんなことは微塵も考えてなく
これからの暮らしの事を考えていた。


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