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紅の搭
白髪の青年

空一面に広がる星 月明かりでキラキラと光る湖
その湖のそばで星を見ながら僕はため息をついた
━━明日からどうやって生きていこう…
持っているリュックには水しかはいってない
食べ物やお金もはいっていたがとられてしまった

特にすることもないので今日1日を振り返ってみる
━━1日を振り返るなんて最後にしたのはいつだっけ…





朝、いつも僕は薄暗い屋根裏で目をさます
そして薄い服を着る
両親が死んだ僕をひきとってくれた叔父と叔母に挨拶をして家事にとりかかる
叔父と叔母はいつも嫌そうな目で僕を見る
叔父と叔母だけじゃない、外に出てもみんな不思議な目で僕を見る

何故なら僕の髪が真っ白だからだ

僕は幼い頃に病気にかかり色素がなくなってしまった
どれだけ紫外線をうけても肌は黒くならないし、髪は染めることができない

まだ子供なのに髪が白い
その事で学校でも虐められるし叔父と叔母やみんなに嫌われる
学校には両親が死んだ中学から行ってない
どうせ行っても虐められるだけだ

月が上る頃にやっと全ての家事が終わって解放される
そして山を登り人が来ない湖に行って星を見る
星を見るのは僕の唯一の楽しみだった
しばらくしたら家へ帰って寝る
それが僕の1日

のはずだった
今日はいつもと違って朝挨拶したらリュックを渡された
中には食べ物と水、そして財布があった
財布の中には一万円札が10枚あった
叔父が
「今日からお前はこの家を出ていってもらう。そのお金で生きていきなさい。」
そう言って家から出された
急に家を出され学校にすらいってなくて社会の事を全く知らない僕はどうしたらいいのかわからなかった

とりあえずいつもの湖にいこうと薄暗い路地を進んでいると男の人に声をかけられた
金をだせと言われて僕が拒否すると殴られた
殴られて蹴られてボロボロになった
いつの間にか気を失ってたみたいで側に転がってたリュックには水しかはいってなかった

なんとか湖についた時にはもう暗くなっていた

1日を振り返って明日の事を考えたが疲れて何も思いつかないなので今日は寝ることにした
外で寝るのは初めてだったけどいつもの屋根裏よりかはよかった


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