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ある科学者が残した夢
02:機械仕掛けのカミサマ
「ミラノ!できるぞ!もうすぐで、もうすぐでできる!」
「本当ですか!?」

二人で完成間近のロボットを見てはしゃぐ。キャーキャーと騒いで、手を取り合い、笑い会う。

「あとは、このデータを送れば、感情が入る。そうすればすぐに起動して」

人間のようなカミサマ。願いを叶えるカミサマが生まれる。
私は少し笑った。

「でもでも!先生!どうやってこの体を手に入れたんですか?」

まるで人間みたいな感じですから…気になります…。

ミラノはそう聞いた。
まさか気づいていないとは。少し驚く。

「はぁ、君ね。私の助手ならば私ができることくらいは覚えておくことだ。ミラノ、平均の大人の人間は何からできている?」
「ええっと…。たしか、水35リットル。炭素20kg。アンモニア4リットル。石灰(セッカイ)1.5kg。リン800gに塩分250g。硝石(ショウセキ)100g。イオウ80gにフッ素7.5g。鉄5g。ケイ素3g。その他少量の、15の元素…でしたっけ?」
「そう。それをエドワード・エルリック君に人間の姿をしたものをつくってもらった。少し嫌がられたけれどな」

クスッと笑って、口元に手を当てた。

「あぁ、そういうことですか」
「そ。そういうことだ。さて、後10秒で送り終わる。インストール完了だ」
「あぁ!ドキドキしますね!!!」

そう言って、私たちは黙った。

話すより、魅せたい。

聞くより、魅せられたい。


あと、5秒。


すごく時間が長く感じる。


あと4秒。


ドキッと胸が高鳴る。


あと3秒。


ぽたりと床に汗が垂れる。


あと、2秒。


生唾を飲み込んだ。


あと、1秒。












「で、きた…」

機械仕掛けのカミサマは、ゆっくりと目を開けた。

機械仕掛けのカミサマが、動き出した。




そのとき、気付いていたらどれほどよかったのか。
今の私では、何も…。
この後に起きることを何も気づくことなんてできなかった……。


ボイコット状態全知全能 
果実の香りにつられて
機械仕掛けのカミサマ 
はめ込んで出来上がり 

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