ある科学者が残した夢
01:天才学者は閃いた
いつものごとく、ミラノはせっせと忙しそうに走っていた。
「…いつも思うが君、本当に世話しないな。ミラノ」
本に目をとおしながらそう言った。するとむすりと止まった。
「あんたが掃除しないからだろうが!!!」
そして怒鳴った。
耳を押さえて、いかにも嫌みのように溜め息をついた。
「君ね。仕方ないだろう?いつも研究しかしていないんだ。きたなくなるのも当然だと思うがね」
テーブルの上にあったコーヒーをコクりと一口飲んだ。
「いや、当然じゃないんだけど。まてまて。机には本と空になった食器その他もろもろ。はたからみたらゴミ屋敷ですよ!!!」
彼女は怒鳴った。
私は、その声を無視して、本に目を移した。
「それにしてもルナさん。なんか作れないですか?」
「何かとは何かね?ミラノ」
「え?例えば、願いを叶える装置とか?」
あったら便利そうじゃないですか。
彼女はそう言った。
「………願いを叶える装置。か」
それがあれば戦争はなくなるだろうか?
願いを叶えたら戦争はなくなるだろうか?
「いい案だな。ミラノ」
「え?でも、無理じゃ…」
「ふふっ。私をなめてはいけないよ。例え無理でも、それを覆す。それが科学者(私たち)だろう?」
それを作りあげれば、世界から戦争は消える。
人類すべての願いを叶え、浄化すればすべてが平和になるのでは……?
天才学者は閃いた
人類全ての願いを 消化する装置を作れば
平和な世界になるのでは?
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