[携帯モード] [URL送信]

◆モンハンdos☆旅の記録◆
バリア破壊
一体どうすれば・・・?皆が焦り、不安がよぎり出したその時。
飛竜の影が地面をすべり、強風とともにいくつもの火球が降りそそぐ。
しかしその火球もバリアに当たると簡単に消滅してしまった。

「・・・!?何だ!?」
見上げると大きなリオレウスがシェン・ガオレンの上空で旋回しているのが見えた。
蒼い身体のリオレウスはうなりながらシェンを睨みつけている。
その蒼レウスの背中に人影が見えた。

「なんか・・・人?人が・・・レウスの背中に乗ってない・・・??」
ムスカが目を凝らして背中の人影を見つめながら言った。

「んーー・・・・・・??」
カオリもトラチーも気になり、見上げて確認していると、その人影が大声で喋り出した。

「友よ!待たせたでござる!!修行を終えて只今ドンドルマの街に戻って来たでござるよ!」

「ああっ!カイン!!??」
驚いたが、再び仲間に会えた嬉しさが皆を勇気付けた。
鎧をまとい、手には槍を持ち、レウスの背中で堂々と立つ姿は勇ましく見えた。

「戻ってみるとこの事態・・・これは一大事でござるな!むぅ。ココは拙者に任せよ!!
今こそ修行の成果を見せる絶好の機会!!・・・ワシが成敗してやる!覚悟いたせ!!」

カッコイイセリフを語り、自分の世界に酔いしれるカインは、槍を構えてレウスの背中から一直線に飛び降りた。
言葉にならない声を張り上げながら彗星のように落下するカイン。

(見える・・・見えるぞ!邪悪な気配が!!)

そして――

槍が突き刺さった瞬間。何かが弾けるような大きな音とともに周囲に閃光が走る。

「ぎゃぁぁぁぁぁ!!!ぐぅぅっ・・・まだじゃぁ!!」

痛みに耐えながらもカインは槍を深く突き立てていく。
だが次第に意識は遠のき、そのまま崩れるように地上に叩きつけられた。

「大丈夫かっ!?・・・・・・これは・・・!」

咄嗟にカインのもとに駆け寄ったアーサーは、バリアがあるはずの場所を通過していることに気づく。

「バリアが壊れた・・・!?」

カインの突き立てた槍のおかげでバリアが壊れたようだ。

「今がチャンスだ!!カインの攻撃の影響かどうかわからんが、今なら接近できるぞ!」
アーサーの叫びで皆は一斉に攻撃を仕掛けた。
兵器の”脚”目掛けて突っ込んで行く。

「むぅ・・・バリアの薄い直上からの一点突破攻撃とはっ・・・!」
大長老の表情から余裕の笑みが消えた。
「大長老様!脚部が攻撃を受けております!ご命令を!」
「・・・こうもやすやすと接近を許すとは想定しておらなんだわぃ・・・自律兵器の残りはないのか?」
「残念ながら、全て投入致しております!」
「揺れるのは嫌いなんじゃがの・・・では踏み潰せ!」
「了解!」


「なんて硬い装甲だ・・・鉄なんかとは比べ物にならないっ!」
「飛び道具は全く通用してないぞ」
「腕がジーンって・・・硬すぎ〜!」

果敢に武器を振るうが想像以上の装甲に皆攻めあぐねている。
そこへ巨大兵器はゆっくりと脚を持ち上げ、地面に叩きつける。
大きく揺れる大地が動きを鈍らせ、さらに街への被害も大きくなっていく。

「ここまできて打つ手がないのか・・・?クソッ!」
瓦礫の山を築きながら破壊のダンスを踊る巨大兵器。なすすべなく立ちつくすハンター達。
悲鳴というコーラスのもと、最悪のショーが続く・・・


「むむ・・・情けない、気を失っていたでござるか・・・」
「お、目がさめたかカイン!久し振りだな、オレだよムスカだよ」
「ぐぅ・・・ピチピチのギャルに起してもらいたかったでござ・・・ゴフッ!」
ムスカの踵がカインのコメカミにめり込み、再びカインは動かなくなった。
「うわぁ、見事に決まりましたねぇ♪」
トラチーが白目をむくカインを覗き込む。
「フンッ!これだけの火傷を負ってるんだ・・・寝てる方が痛みを感じなくて済む」
「そ、そういう問題じゃなくって・・・w」
『ははははは・・・』

絶望的な状況に皆の笑い声にも生気はなかった。

[*前へ][次へ#]
[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!