[携帯モード] [URL送信]

◆モンハンdos☆旅の記録◆
誓い
部屋に残されたアーサーとカオリ。二人はまだ一言も口を聞いていない。
お互い別々の方向を向いて黙ったままだ。重い空気が二人を包む。


しばらく沈黙が続く。それを最初に破ったのはアーサーだ。
「・・・・・さっきは悪かった・・・謝る」
カオリに背中を向けたままアーサーは話し出す。カオリは黙ったままそれを聞いていた。

「オレはギルドの人間だ。しかし、あんな物の事は知らなかったんだ。
オレはただ、上からの命令に従っていただけ。でも最近その事で疑問や不満も持っていた・・・
正直、ギルドのやる事には疲れてきたんだ」

そこまで言うとアーサーはカオリの方に向きなおった。
カオリはアーサーをじっと見つめて立っている。

「アーサーに初めて会った時・・・私が街に来たばかりでうろうろしていたところに
話しかけてきて親切にしてくれた。私もアーサーを信用していい人だなぁ〜って
思いはじめて心を許していってた・・・それなのに・・・!」
カオリはぎゅっと拳をにぎりしめ、声を震わせた。

「最初から私を騙して近づいていたの!?あの時の優しさは全部ウソだったの!?
今のアーサーはアーサーじゃないよ!!優しかった頃のアーサーが好きだったのに・・・
今のアーサーは冷たくて怖くて・・・嫌い!!」

「カオリ・・・」
アーサーは心が締め付けられるようだった。

「ギルドなんか嫌い!嫌い!みーんな大嫌い!!お父さん・・・お父さんを返して!!
お父さんはこの街を守る為にやった事なのに・・・それなのにどーして・・・どうして・・・・・!」
涙を堪えていたカオリはとうとう我慢しきれずに泣き崩れ、大声で泣き出した。

「カオリ・・・ごめん・・・泣かないでくれ」
アーサーは自分のした事に罪を感じ、泣きじゃくるカオリをそっと抱きしめた。

「もう・・・ほんとに私独りぼっちになっちゃった・・・頼れる人も帰る場所もないよ・・・
お父さんもお母さんも・・・ゲイナーもデンオウもトラチーもカインもいない!!
そしてアーサーも・・・みんなみんな・・・・・」
カオリは泣いてわけがわからず喋り続けた。

「そしてあの変な機械が動き出してみんな死んじゃうんだ・・・
この世界にいる人間や動物たちみーんなみーんないなくなって全部消えちゃうんだ!!」
自分で言ってどんどん悲しくなり、涙が止まらなくなってアーサーの腕の中で泣き続けた。

「・・・オレが奴らを止めてやる。みんな死なせはしない!!
そして、償いとしてカオリを守る。オレの命に代えても守ってやる・・・!今度こそオレを信用してくれ・・・」

アーサーはカオリを強く抱きしめて心に誓った。



月明かりが二人を照らす部屋の中、静かに夜はふけていくのであった。




[*前へ]
[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!