[携帯モード] [URL送信]

◆モンハンdos☆旅の記録◆
クエスト終了後
密林でのクエストを終え、4人を乗せたドンドルマ行きの馬車は
もう街の風車がハッキリと見える所まで帰ってきていた。

「さぁさ、皆!到着でござる!!」
一人元気にはしゃぐカイン。

「はいはい。見ればわかりますよ」
ムスカは浮かない顔だ。
「も〜。逆鱗がとれなかったぐらいで、そんなにいじけないの!」
プイッと外を眺め、カオリの言葉も逆効果だった。


ゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・・・
危険なモンスター達を防ぐ、巨大で頑丈な街門が開かれる。
外とは違う空気や雰囲気が、皆に帰ってきたことを実感させる。
「はい!馬車の運賃お一人様400ゼニーです」
にこやかに運転手が手を伸ばす。
この支払いもまた、帰りを実感させるものであった。

「狩猟失敗で採取だけだったから、400ゼニーも痛いわねぇw」
しぶしぶ支払い、そのまま酒場へ4人は足を運ぶ。
クエストの結果をギルドへ報告するためだ。そしてそのまま皆で一杯やるのがハンター同士の礼儀でもある。


「ちぇ〜。採取した物を売っても一人たったの600ゼニーかよぉ・・・・・」
酒を一気に飲み干してムスカはテーブルに倒れるように顔を伏せた。
「まぁまぁ、次がありますよ〜。でも、フルフルはダメですからね」
トラチーが2杯目を注文しながら言う。
「うい〜、拙者ももう一杯くだされ〜」
奥からウェイトレスがパタパタとオーダーを聞くべく走ってきた。

「え〜とぉ、レイアグリーンと黄金芋酒ですね〜。かしこまりましたぁ。
あ、ハンターさん達は帰ってきたばかりですよね?今朝からドロボウの手配書が配られているんですぅ。
有力な情報には10万ゼニーも出るそうですよぉ。それにしてもすごい金額ですよねぇ。
一体どんな物が盗まれたんでしょ??興味ありますぅ〜!」
似顔絵入りの手配書を置いて、パタパタと彼女は厨房へと戻っていった。

「か、かわいい娘でござるなぁ・・・ムフフw」
いつものようにカオリの突っ込みを期待したカインだが、
食い入るように手配書を見つめるカオリを見、真剣な表情に戻る。

「どうしちゃったんですか?カオリさん??」
「お!もしかして心当たりあんの?!10万ゲット?」

顔色を伺う2人の方も見ず、カオリはただ手を震わせていた。


『お父さん!!!?』




翌朝、赤鳥亭にて
珍しく、いつもネグセを立てた朝が遅いアーサーの姿があった。
その正面にはカオリ、横にトラチー、カインと並んで腰掛ける。
「・・・・・・・・・・・・」
いつも明るいカオリが思い詰めた顔をしているためか、皆黙って食事をとっている。
「・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・」

バンッ!!!!

「おはよう!!!」
勢いよく入り口の扉が開き、晴れた表情のムスカが登場した。
「あらら?何この葬式みたいな雰囲気は?それよりカオリ!
昨日の手配書の男、心当たりあるんだろ?隠したってすぐわかるぜ!」

カインは声に出さず、駄目でござる!!とジェスチャーを送るが、
カインを含めて、皆が聞きたいことでもあった。

4人の注目を浴びるカオリ。そしてゆっくりと口を開いた。
「・・・・・・ごめんなさい。そんな男、知らない・・・・・」



「・・・・ホントは知ってるんだろ?」
長い静寂をアーサーが断った。しかし、カオリは首を横に振るばかり。

「やめてあげてください。知らないって本人が言ってるのに・・・」
必死にトラチーはカオリをかばう。
だがカオリは無言でうつむいたまま、赤鳥亭を出て行った。

[次へ#]
[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!