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◆モンハンdos☆旅の記録◆
思い出のイャンクック
ある日、トラチーはカオリの部屋(1日単位で借りられるギルド運営のハンター専用貸し部屋)に招待されて、
カオリと二人でゆっくりお茶を飲みながらお喋りをして楽しんでいた。
二人が楽しくお喋りをしている足元では、カオリのペットのプーギーと、
トラチーのペットのフルフルベビーがちょこんと座っていた。
プーギーとフルフルベビーはお互いびっくりしながら距離を置いて様子をうかがっている。
仲良くなれるかどうか心配しながらにも二人は2匹を顔合わせしてみたようだ。

「コブタさんも可愛いですね〜w でも私のフルフルベビーちゃんの方が可愛いですけどねw」

「あははw トラチーほんとフルフル好きなんだねw」

「はい〜w もう、大好きですぅ〜www」

「あははw お互い動物好きで親バカですなw」

二人は笑いながらお互いのペットの自慢話をお披露目し合った。


「で、トラチーはフルフルの保護活動みたいなのをしてるの?」

「まあ・・・私一人で行動しているのですけどww
弱っていたり傷付いたフルフルを助けたり、フルフルの行動を観察したり・・・ほとんど趣味ですねw」

「へー・・・そうなんだー。私もよく似たような事するけど、本業はトレジャーハンターだからw」

「トレジャーハンターですか!素敵ですねwww 面白そうですw 
私は面白い事なら何でも首を突っ込む人なので色々と興味がありますっ!
フルフル保護活動もそうですが、楽しい事を探しにこの街に来たっていう理由もありますw」

「楽しい事ねぇ〜・・・私らといても変態が染み付くだけよw」

「変態www おkですw それに、カオリさんの仲間は楽しい人たちばかりですし気に入りました♪」

「あははは・・・w トラチー変わってるねw」


「あー・・・1つ昔の話を思い出したわ。保護活動じゃないけどここに来る途中で
イャンクックの子供を助けた事があったなぁ」

「クックの子供!?それはまたどうされたのでしょうか??」

「プーギーと二人で密林を歩いていたらね、近くで何かが鳴く声が聞えたの」


ドンドルマに向かうカオリとプーギー。山を越え砂漠を超え、時には馬車を利用しながら
街を目指して進んで行った。ある日密林を歩いていたら1頭の子供のイャンクックと出会う。
子供と言ってもカオリの身長を軽く超えていて人一人は襲えそうなぐらいの大きさだ。
その子供のイャンクックは小さく鳴き声を上げていて近づいても飛び立とうともしない。
脚を怪我しているのかびっこを引いていた。その場にうずくまりながらにも警戒をしており、
こちらの行動をじっと見つめて低くうなり声をあげている。

「・・・?怪我しているのかな?」
そう言いながら少しずつクックに近づくカオリ。

「クルルルルルルルル・・・・・ッ!!!」
人間は敵と教えられたのか、野生の本能なのか、耳を精一杯大きく広げて威嚇し、
ものすごい警戒の声を上げるクック。

「おっと・・・危ない・・・!さすが野生ね。しっかり警戒心持ってるw
だいじょぶよー。私は君を助けてあげるんだよー。ほら、落ち着いて〜・・・」

「クルルルル・・・!クルルルルルル!!!」

ゆっくり近づいて、威嚇されては止まり、カオリは徐々に間合いを詰めて近づいて行く。
あともう少し・・・。手を伸ばしてクックに気持ちを伝えるようにじっと見つめた。

「ギャァッ・・・!!」
「・・・痛っ・・・!」

大きなクチバシがカオリの手をこついた。恐怖のあまりに出た攻撃だった。
それでもカオリは手を引く事もなくそのまま手を伸ばしていき、クチバシをそっと触った。
こつかれた手はうっ血してどんどん青くなり大きく腫れ上がってきた。
今、手を引くとまた信頼を失う事になるので痛みをこらえてもなお手を引かないカオリ。

「クウゥゥ・・・」

クックは人間に初めて触られて恐怖でおびえていたが、何も危害がないと知ると
次第に落ち着きを取り戻した。クチバシをさすられて気持ちいいのかおとなしくなってしまった。

「いい子ねーw よしよし。怖かったね!今、薬付けてあげるからちょっと脚見せてね〜」

すっかり信用してしまったのか、脚を触られてもあまり嫌がらなくなった。
カオリはクックの脚を見て応急処置をし始めた。プーギーは心配そうにカオリの後でビクビクしながら見ている。


「これは・・・刃物で斬られた傷ね・・・お前ハンターにやられたの?可哀相に・・・」

「ピィィィ・・・!!」

傷薬がしみたのかクックは悲痛な声を上げてじっと耐えている。

「はいもう終わり!包帯巻いておくね。しばらくとっちゃダメだよ」

そう言うとカオリはクックに早く親の所に帰るように言い聞かせた。
クックの子供は一度振り向いてじっとこちらを見つめていたが、すぐに飛び立って行ってしまった。

「野生だねぇ〜最後まで警戒してるよw また元気になったあの子と会えるといいなぁ」

小さな翼が飛び去り見えなくなるのを確認して、カオリとプーギーは旅を続けた。



「素敵なお話ですわ・・・素晴らしい・・・!!そのクックさんとまた会えるといいですねw」
トラチーはカオリの話を聞いて少し涙が出そうになった。

「私らもハンター稼業やってるけど・・・遊び半分で狩りまくったり、
小さな命までとるハンターは許せないのよね。トラチーにならわかってくれると思って話したんだw」

「わかります!私もフルフル愛好家として・・・そういうのは許せません!」



意見が一致したところで二人はますます友情が深まるのであった。

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