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◆モンハンdos☆旅の記録◆
親子愛
アーサーの方はフルフルベビーが出そうなポイントで一人掘っていた。

カツーン!カツーン!カツーン!
ぴぎっ・・・!!

「・・・・・!?」

堀り続けていると岩の中から変な声が聞こえた。

「いたか?」

もう少し堀ってみると少し空洞になった部分にあたり、その奥から白いモノがうごめいているのが見えた。

「やったw 当ったり♪」

フルフルベビーを掘り当てたアーサーは傷付けないように慎重に掘っていった。
フルフルベビーは捕まらぬよう必死で穴の中で抵抗している。

「ぴぎーっ!ぴぎーっ!」
「こらっ!待て!暴れるなっ!!」

アーサーはゲリョスの皮手袋を付けて、暴れるフルフルベビーの首根っこをつかんだ。
するとフルフルベビーは必死に暴れて鳴き叫んだ。幼獣だが小さな電気を発している。

「ぴぎーっ!ぷぴーっ!ぷぎゅーっっ!!」

「おわっ・・・!痛っっ!!」

わずかながら放電したフルフルベビーの電気が少し身体に流れる。
驚いてフルフルベビーを手から離してしまった。フルフルベビーは地面に転がった。

「このっ・・・生意気な!待てっ!」

アーサーが捕まえようと追い掛けた先に一人の女が立っていた。
ゲリョス装備で身を包み、髪は淡い水色で長い髪を頭のてっぺんでまとめていた。
その女は逃げるフルフルベビーをそっとつかみ、抱き抱えた。

「あ・・・・・。ありがとうw フルフルベビー捕まえたんだけど逃げちゃってね。
小さいくせに凶暴だよねw チビのくせに放電するんだけど・・・君、大丈夫??」
アーサーはフルフルベビーを抱き抱えている女を心配しながら言った。

「私はフルフル大好きなので大丈夫です♪ あなたもフルフル好きですか?」
女はニコニコしながらアーサーに言った。

「ああ、キライではないなw こいつを漬物にしても美味しいし、夏はアイスにしてもウマイ♪」

「・・・・・!!!」

アーサーは笑いながら言っていたが、急に彼女の表情が変わっていくのがわかった。

「はははは・・・え?」
(なんか・・・マズイ事言ったかな・・・;)

「あなたは・・・この子を食べようとしているのですか・・・?」

「え!?・・・あ、まあ・・・そのつもりで捕まえたんだけど・・・何か間違ったかな??アハハ・・・;」

「・・・っ!ダメです!!食べるなんて私が絶対に許しません!!!」

「へっ!?」
突然怒り出した彼女に訳がわからなくなり、焦るアーサー・・・。

「いや、あの〜・・・;」

「フルフル愛好家として絶対許せないですっ!!!その手に持っている壷とピッケルを没収しますっ!」
女は強引にアーサーから壷とピッケル奪い取り、更にお説教を続け出した。


「こんな小さな幼獣を食べるなんて野蛮な!フルフルが絶滅したらどうするんですかっ!だいたい・・・・・」

説教を長々と聞かされながらアーサーは、彼女の背後に何かの気配を感じた。

「・・・・・!!」

(何もいない・・・上か・・・!?)

「ちょっとあなた、聞いているのですか!?」

二人の立つ位置の真ん中に、何かのしずくが上から落ちてきた。
そのしずくが地面に落ちると、じゅうっ!と音を立てて地面を溶かした。

「え・・・・・」
「危ない!!!」

咄嗟に彼女を抱きかかえ、アーサーはその場から転げて離れた。
その瞬間、洞窟の天井に張付いていたフルフルが上から落ちてきた。
身体から電気を発しながら、こちらをうかがっている。
洞窟で暮らす彼らは目が退化しており鼻で標的を捉えているようだ。
フルフルはフゴフゴしながらこちらに近づいて来た。

「出やがったなフルフル!」
「あら!この子の親かしら!!」

彼女はうろたえもせず、逆に嬉しそうな顔をしてフルフルを見つめている。

「ちっ、めんどうだが狩るか」
アーサーは太刀を抜こうと手をかけた瞬間、彼女が体当たりをしてきた。

「やめて--------っ!!!殺さないで!!」

「ぐほぁ・・・!!お嬢さんいきなりなにぉ・・・!!」
今の体当たりでちょうどみぞおちに彼女の肘がヒットして転がりもがくアーサー。

「殺さないで下さい!!私が説得しますのでどうか殺さないで・・・!」

「説得・・・??」

そう言うと彼女はフルフルの前に立ち、話し掛けた。
アーサーはみぞおちを押さえながら立ち上がり、不思議そうに彼女を見た。
何を話しているのかわからないが、彼女は真剣な顔で話し掛けている・・・。
しばらくするとフルフルは彼女の腕に抱かれているフルフルベビーに顔を寄せて小さく鳴いた。
そして大きく息を吸い込み咆哮した。洞窟内にフルフルの鳴き声が響き渡る。
鼓膜が破れるほどの咆哮にアーサーは耳をふさいだ。
しかし彼女は耳栓をしているのか平気な顔で立っていた。

「この子は私が立派に育てて、またココに返しにくるわ!
密猟者の乱獲から守る為に・・・私はあなたたちを守り続ける!!」

彼女はフルフルにそう言うとフルフルも話がわかったのか、二人の前から去って行った。
フルフルベビーは去って行くフルフルの背中を見つめながら鳴いた。
フルフルはそんな声が聞こえたのか最後に振り向き、そして翼を広げて飛んで行った。


寂しそうに鳴くフルフルベビーを抱きしめながら彼女は見えなくなるまで見送った。

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あきゅろす。
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