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◆モンハンdos☆旅の記録◆
雪山の幻獣
しばらく登ると、あっけなく頂上に到着してしまった。
遠くまで続く雲海と真っ青な空。ジトッとかいた汗に風が心地よい。
カオリは大きく伸びをしてバッグから袋を取り出した。
「ジャーン!肉ばかりも健康に悪いし、サンドイッチ持ってきてるんだよv」
袋を掲げて誇らしそうに笑った。
「みんなでお弁当にしよう〜♪」
「お〜」

絶景を眺めながら皆でサンドイッチをほおばる。
「こんな一面もあるとは・・・驚きでござる」
「うんうん、意外にゃ」

食べていると何かの声が聞こえてきた。かすかにだが、馬のいななくような声が遠くの方から聞こえてくる。
「んんん!!??」
カオリは最後の一口を口に押し込み、耳を澄まして辺りを見回した。鳴き声は止まった。
立ち上がり、遠くを見渡してみる。どこで鳴いているのかわからないが、何か存在するのは確か。

「どうしたでござるか??」
「今、馬の鳴き声?が聞こえてきて探してるんだけど・・・。もしかしてキリンかな!?」
カインとゲイナーも立ち上がり、辺りを見回してみた。
すると、少し離れた所に何かが動いているのが見えた。
「あ!あれかにゃ??」
そう言いながらゲイナーはバッグから双眼鏡を取り出して覗いた。

真っ白に輝く身体。たてがみをなびかせながらゆっくりと歩いている。
額には真っ直ぐに伸びた蒼角が生えていた。まさしくキリンである。

あまり目撃情報が少なく、詳しい情報が知られていなくて謎に包まれた生物のキリン。
ただわかる事は、キリンが現れると、天気が良いにもかかわらず空が黒い雲に覆われて雷を発する。
キリンもその額の蒼角で雷を発生させ、自由に操る事が出来る。
いつどこで現れるのか、生息地もその生態も不明。幻の生物である。

「うん。キリンだにゃ!」
「貸して!」
カオリはゲイナーの手から双眼鏡を奪い取り、キリンを見た。
「うわぁ!きれい・・・あれが・・・幻獣キリン・・・・・」

神々しく光り輝くキリンに魅了され、3人は立ち尽くしたままだ。

「よしっ!行こう!!」
カオリはバッグを背負い、急いで山頂から降りた。
「待つにゃ!相手はものすごーく強いし敏感にゃ!もっと慎重に行くにゃ!」
ゲイナーとカインは慌ててカオリを追いかけながら下って行った。


3人はキリンを見た場所へと走った。
気が付くと、さっきまで晴れていた空なのに急に黒い雲が現れてゴロゴロと雷が鳴り出した。

「むぅ?急にお天気が悪くなってきたでござるな」
走りながらカインは天気が悪くなってきた事に気が付く。

「これが奴が現れた特徴にゃ。奴は雷を自由自在に操り、強烈な電撃を放なつにゃ。
自らも電気を帯びていて、フルフルなんかよりもっとすごいにゃ!
怒らすとその雷で村を壊滅させたっていう伝説を聞いた事があるにゃ・・・」

その話を聞かされて二人はぞっとした・・・。

「そそそ・・・そんなに強いの!?」
「だから最初から言ってるにゃ!!」
「あーもう!何で今日に限って王子は来ないのぉ〜〜!!」

急に不安になったカオリはイライラしながら嘆いた。
しかし今さら引き返す事は出来ない。
3人の鼓動が高まる。一度大きく深呼吸をして心を落ち着かせた。
アイテムを再確認し、作戦を立てていざキリンに立ち向かう。

3人は気配を消すのをやめ、武器を構えた。
キリンは突然現れた人間に驚いた様子もなく、落ち着いた様子でこちらをじっと見ている。

するとキリンは大きくいななき、後ろ足で立ち上がった。

ヒヒヒヒヒ------------ン!!

その瞬間、キリンの白い身体が更に白く輝き、電気を帯びた。
バチバチっと身体から電気を放電させて威嚇している。

「・・・!すごい・・・!だいぶん離れているのに電気が肌に伝わってきた・・・?!」
カオリは驚いたが大剣にぐっと力を入れた。

「あ、あの時と同じ感覚にゃ・・・」
声を震わせ、ゲイナーが搾り出すようにつぶやいた。

「チェストォォォ----------!!!!気持ちで負けては勝てないでござる!
やあやあ我こそはジャンボの侍カイン!いざ参るっ!!!!!」
気合の一声とともにカインは矢のようにキリンへ突き進み、横一文字に太刀を走らせる。
しかしキリンはひらりと舞い、弐の太刀、参の太刀をもかわす。

「なんとっ!これだけ俊敏とは!!」

ヒヒ---------ン!

かわしざまにカインの背後に回り、その尖った角で襲いかかる。

「ぐぅっ・・・!」

カインは突き飛ばされ、5メートルほど回転して倒れこむ。
幸い鎧のおかげで致命傷にはならなかったが、すぐには起き上がることができない。
キリンはもう一度攻撃を加えようと頭を低く下げ、額の角をカインに向けて突進を始めた。

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