missing!
まっなんて恐ろしい子!!
…というわけで冒頭にいたる。というか、まぁ現在体育館に向かってるところなのですよ。
「なぁ、教えろよお前の姉!」
あーなんかさっきから煩い。
煩いと思いつつも名前を教えないのはめんどくさくなりそうだからだ。
名前が分かればいくらマンモス校でもクラスとかばれるだろうし、
亜稀に(たぶん)惚れてるだろう千秋は絶対探して会いにくるだろう。
実際そのつもりで名前きいてるんだろうし。
千秋が亜稀を見つけて会いに来たら、亜稀と一緒にいるあたしもクソ千秋と顔をあわせなきゃいけない。
なんか千秋は面倒事持ってきそうだし、巻き込まれ体質のあたしは是非ともかかわりくない。
「つかお前名前は?」
「いまさらだな!」
亜稀の名前を知れないならあたしの名前から亜稀をさがそうって魂胆が見え見えだ!
「いやぁ、せっかくなんでなかよくしようと思ったのだが。」
「嘘くせー!話し方変わってるし!お前ほんと演技下手だな!」
千秋キャラまた間違えちゃってるから!一瞬誰のセリフかわかんなかったわ!
「ヒドイナーウソナワケナイジャナイカ」
いや、うんひどいのはお前の演技だから。
「そういえば貴方は…見ない顔ですね。もしかして…侵入者ですか?」
お前も真顔でボケんな!
「アホかぁああ!普通に考えたら分かるだろ!あたしは編入「あぁ不審者か」…あーもぅ人の話きけやー!」
めっちゃ息合ってるじゃん!
仲良しじゃん!
「で、編入生は2人で、双子ときいています。もう一人は千秋がさっき言っていた美少女ですよね?」
ふつーにスルーなんだな!
いいけどね!もう!
「…まぁそうだけど。」
あーもう米澤そこに話題振るなよ。
あの男にスイッチが入るだろ!
「名前はなんていうんだ?教えろ!教えろ!」
やっぱりな!
あたしはワンコに逆らえないんだって!
予想通り千秋が亜稀の話題に噛み付いてきて疲れを感じる瑞稀である。
「…水嶋亜稀。」
「亜稀かー!おれと名前被ってるな(キラキラ)」
あぁ…平穏な日々よさらば…。
…というわけでやって来ました体育館。
やっとたどり着いたよ…入学式までにこんなに波乱万丈なひとときを送った人なんていないんじゃないかな…疲れた。
隣には優等生君の米澤君、不良君の千秋。
目の前にはでっかい扉が。
「でかっっ」
いやこんなんありかよ。
中学生の時の3倍以上はあるね!この大きさ!
つかほんとに体育館!館!
体育館がひとつの建物で、超でかい。
いくらマンモス校っつってもでかすぎだろ。
まぁそんなこと考えてる間にも時間は過ぎていくわけで。
「裏からいきましょう」
目立たないように入るため、米澤を先頭に3人は裏へ回る。
さっきまで沢山しゃべってた割に、そんなに時間はかかってないようで米澤がいうには、今は丁度、生徒会による学校紹介が始まる頃らしい。
入学式の予定は分刻みで米澤の頭に入っているようだ。
正面よりは小さい扉の前で瑞稀達は立ち止まった。
米澤は持っていた名簿らしきものを開きペラペラと捲りながら
「…水嶋……瑞稀、ですね。亜稀さんと同じ2-Aです。」
へぇ…編入生だしクラスバラけるかと思ってた。
つーかあたしら編入生なんだから名前なんてすぐ調べられるじゃん。
さっきまでのあたさの努力はなんだったんだ…。
「何やってんですか。ぼーっとしてないでとっとと入ってください水上さん」
なかなか動かないあたしにイライラしたように扉を開けた米澤が言った。
扉の向こうでは入学式中だというのにザワザワ騒がしい。
なんかあたしに対して言い方酷くね?
つーか
「水上じゃねーよ水嶋だよ!」
「なんだよ花子」
「瑞稀じゃぁあ!一文字も合ってねーよ!おまえらぜってー業とだろ!あたしのフルネームは「水嶋瑞稀!」その通り!って…は?」
いきなりフルネームで呼ばれて驚いて声のしたほうを見ると
体育館のステージの上に立っているなんだか偉そうなイケ面君が、
ニンマリと生徒諸君を見下ろしているではありませんか!
まわりの生徒はザワザワー「誰?」「知らなーい」とか言う声が聞こえる。
そりゃそうだろうな。
編入生だし。
「お呼びだな水嶋瑞稀♪」
ニヤニヤしながら千秋が言う。
うわー絶対千秋楽しんでるな。
「貴方はいったい何をしでかしたんですか?」
責めるような呆れたような声を出す米澤。
何をしでかしたのかなんて分からない。
だってあの人知らないし会ったことないし。
でも…まぁ一つだけ分かってしまったことがある。
「お前を生徒会長補佐に任命する!!」
「はぁああああ!?」
!!
一気に体育館が騒めいた。
ひっじょーに驚いたけど
やっぱり改めて気付いてしまった。
えらっそうにあたしの名前を呼んだ彼の目線は
こっちには向いてなくて
明らかに彼の目線の先には
とおーっても楽しそうに面白そうにことの成り行きを見守っている
我が愛しの双子の姉
亜稀がいた。
「あーっもう何やってんだ亜稀!」
あたしがイライラしたようにいうと、千秋も米澤もイケ面君の目線の先に気が付いたのか、
「あ゙ぁ゙!?なんで亜稀がいるんだよ」
もう呼び捨てですか。そーですか。
「やっかいなことになりそうですね。また風紀委員の仕事が増えそうじゃないですか。なんとことしてくれたんですか。貴方のせいで仕事が増えるなんて面倒です。自分でなんとかしてくださいね?」
「問題発言んん!?風紀委員として言ってはならぬ発言だろ!学校の風紀を正すのが風紀委員の仕事だろ?仕事しろ仕事!」
「では早速…風紀を乱す原因となっている貴方から処理しましょうか…」
目がマジなんですけどぉおおお!
空気の温度の下がり方マジ半端ねぇ!
「すみませんすみませんあたしが悪かったです殺さないでください!」
てか今回の原因は確実にあたしじゃなくて亜稀だろ!
と思ったが言えない。
あたしだって命は大事だ。
「つーかなんで亜稀が!?え!?生徒会にはいるのかよ!生徒会なんかより風紀委員にはいるんだよな!?そしたらいつでもあえるしな!おいそーしろ!」
「無・理!
てか知らねーよそんなこと!!
あたしに言うなクソ千秋!」
しかもあんた別に風紀委員じゃねーだろ!
あしら3人がギャーギャーさわいでいて
ふと気が付くと周りは静かだった。
え?
なんかやっちまった??
「おい何度も言っているだろう?ステージに上がれよ…瑞稀」
男らしい低い重低音のなんというか…愛しい人に囁くような声で名前を呼ばれ、
瑞稀は腕にさぶいぼができたのを確認した。
しかもめちゃめちゃ亜稀を見つめてるから、完全に痛い子だ。
なんか可哀想になってきた。
周りの人は指名された人物をみたいのだろう、誰が席をたつのかまわりをキョロキョロみている。
すると全ての原因の例のあの人が口を開いた。
「あははっ先輩やっぱり面白いなー。あたしは瑞稀じゃないですよー。騙されましたね。」
亜稀は天使の笑顔でこうのたまった。
イタズラだーいせーいこーう♪と邪気の無い笑顔だ。
天然はこれだから怖い。
あたりはさらに静まり返り、さっきまで偉そうにしていたイケ面君は目が点状態。
せめて目が飛び出していなかったのが救いだな。
こう冷静に現状を見ているあたしも久しぶりの大規模な亜稀の天然炸裂で内心冷や汗だらだらだ。
頼むから問題起こすな!そして巻き込むな!
亜稀にもトラブルが起きればあたしが巻き込まれることは必須だ。
しがも百パーセントの確率であたしに被害が及ぶ。むしろ亜稀には被害は及ばずあたしにほとんど降り掛かってくることが常である。
体育館全体が一人の少女が生み出した沈黙につつまれる。
どれだけの時間が経ったのだろうか、やっとこさみんなの頭が機能しかけたとき
「ぷっあっはははははははっ蓮夜やられちゃったねぇー!」
この空気で大爆笑しやがるつわものが一人。
ここにおわすのは只のKYか?
それともこの空気から救ってくれるヒーローなのか!?
次回『お前の姉…な、なんというか強者だな…』だよっ
次回も絶対見てくれよなっ
未来の君にチェックイーン!(意味不)Byナレーター
ナレーター…ちょっと死んでもらっていいですかね?By米澤
ぎゃーやめてすみませんちょっとした出来心だったんでドカッドカバキィィ《ピーーー
お見苦しいので爽やかな映像を御覧ください
− 》
教訓・米澤の前で苛つくお茶目は禁物です☆
ドガッ
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