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missing!
ただ体育館に行きたいだけなのに!@
時は戻って数十分前。

亜稀が消えた直後。

瑞稀は地図を握りしめていた。




あーっもー。亜稀最悪っ幼稚園児以下か!

あーでも亜稀は強運と美貌の持ち主だしなー。

いつも迷子とかになってても誰かやさしい人に出会ったり出会った人が亜稀の美貌にやられたり、適当に歩いてたら偶然家についてたりする。

だから今回もそんなに心配していない。


だけど!あたしは普通に過ごしてるだけだというのになぜだか亜稀がいないと変な奴に絡まれたり、どっかの事件に巻き込まれたり
会いたくない人に出会ったり。

ジャンケンも激弱。


…まあ最後のは今関係ないとして。


つまりこの上なく運がないのであります。

いつもは強運の持ち主亜稀と、超不運のあたしがいて、プラマイ0ってかんじなんだけど。

まあはぐれちゃったのだからしょうがない。何事も起こらないことを願い、

さっさと体育館へ急ごう。










そうおもった時だった。













「おい」






あれ?なんか聞こえたよーなー?





「……おい」




いや、だめだ、悪い予感しかしない。

トラブルの予感しかしない。



うんこれは幻聴だ。

振り向いたら負けだ。


そういうルールってことにしとこう。




「…きーてんのか!」

いやいや聞いてないからどっかいってくれ頼むから。

もうあたしは決めたんだ、振り向かないと!

あたしは空気、あたしは空気、


「いーかげんにしろ!」

そういって男はあたしの腕をぐいっとひっぱり、
身体ごと男の方に向けさせられた。





彼の方を向いたあたしは驚きと戸惑いで目を見開いた。


「俺を無視するとはいい度胸じゃねーか。」


偉そうに立っている様子は、美形な彼には様になっている。






だが。





し、








社会の窓が全開ですよおぉおお!
おにーさーーん!






うっわおーいおいおい!

はっずかしーよおにーさぁぁーん!

目の前にいるのは金髪でアクセサリーをジャラジャラつけてるいかにも不良。

身長もそこそこ高い。スラリとしていて、女受けしそうな顔だ。

女の扱いも慣れてそうな彼。


だから『俺を無視するとはいい度胸じゃねーか。』
なんつー台詞も様になるんだろう。







普段はね。













現在。


チャック全開でんなこといわれてもね?




あっはっはやばい面白すぎるあたしを殺す気か!


「なにきもい顔してんだ。」


あぁ、いま笑うの我慢してるから顔やばいのなー。って

「ふざけんじゃねー!だれのせいでこんな…いやゲフンゲフン。」

あー危なかった。いっちゃうところだった。

初めは教えてあげようとかおもったよ?


でもきもい顔とかいった奴に情けなんかねぇ!

つーかいかにもモテてますが何か的なオーラが気に食わない!(←被害妄想)



「んで!なんの用だよ不良君。」



不機嫌丸出しであたしが不良を睨み付ける。




「…あぁ。っとさっき森の方へ駈けていった美少女しらねぇ?」

不良君はあたしに話し掛けた目的を伝えた。


って森の方へ駈けていった美少女ぉぉぉお!?


それって…





亜稀じゃねーか!





「その人ってもしかして茶色がかった髪でちっさくって…フランス人形みたいな?」



「そうだ!!」








もう一度言おう!






亜稀じゃねーか!










「しっ知り合いなのか!?」


さっきのふてぶてしい顔とはうって変わって、きらっきらした嬉しそうな顔をしている。



なんつーか…ワンコ??




教えろ教えろ!と輝かしい程の純粋な笑顔を浮かべて

あたしの両肩を両手を押さえ、ガックンガックン揺らす。


うぇええええ。
気持ち悪くなってきた。


「ちょっお前揺らすのやめろ!脳ミソ破裂する!
ついでに口からなんか出そう!内臓的なものが!」


女の子にあってはならぬ発言、許していただきたい。
あたしはそれほどいっぱいいっぱいだったのだ。


しかしあたしのその必死な思いは不良君には伝わらず、

彼はあたしの肩をバッと放し

「うわっキモッ。っちょっやめろよ!」










めっちゃ嫌な顔されたぁぁぁぁ!







「それはこっちの台詞だよ!つーか口からなんか出そうっていっただけだよ?マジなわけないだろ!」



「お前ならやりかねねぇ。」



あ゙あ゙!んだとゴルルルルルルルルルルルルルルルァ!

っふう。巻き舌ってうまくいくと楽しいよね♪




てゆーか!

こいつうっぜー!

もう殴っちゃっていいよね?
罰は当たらないよね?

十分あたしは我慢したよね?神様ぁぁぁ!


よし殴ろう。


そう思ったあたしの目にうつったのは


彼の









オープン ザ 社会の窓☆











黙って俯いてしまった瑞稀に

不良君は余裕な笑みでフッとあたしを馬鹿にしたようにいった。

「何だよ。何か間違ったこといったか?」

…震えるあたしの肩があたしの我慢の限界を伝える。




もー我慢できねー!!




「ぶーっひゃっひゃっ
あはっ間違ったこといったかって?っくはっいやお前の方が色々間違ってますから!あっははめっちゃ腹痛い!チャック全開で偉そうにされても面白いだけですから!ひーっひっひくっくるし「な、何ィ!」…あはははは「ぎゃー!」はははは!」


あたしがうつむいたまま腹を抱えてしゃがみこんで笑いだす。


やべー超面白い!

あたし一度つぼにはまったらわらいが止まらないんだよね。



顔を上げると不良君が後ろを向いてチャックを閉めていた。

そして振り向いてあたしにどなる。

「気付いてたんなら言えよ!」

「知るか。あたしの顔きもいっつったお返しだよ。」

「ちっちぇー男だな。」

「女だよ!」

やめろよ読者勘違いするだろこんな話し方だから!(←自覚あり)


「…(無視)あーっもうさっきの女に見られてっかもしんねぇ…。」

「無視かよ。ってお前その子としゃべったのか?」

っつってもその子って亜稀の事だけどね。


「いや…小鳥追い掛けて森へ入っていくのを木の上から見かけただけだからな。」

「目すら合ってねーじゃねーか!
見られてるわけねーだろ!」

よく見られたかもって思えたな。

つーかあんた木の上にいたの!?どんな状況!?

「あぁそうだな!」

突然嬉しそうな顔になったよ。


再びワンコモードか!

「そういえばお前、あの女と知り合いなんだろ?!教えろよ!」



なんだそのきらっきらした瞳は!断れないじゃないか!!



くっくそう反則だ。

お前のその顔はあたしが犬好きとわかってやっておるのかぁぁあ!
おぬしかわいすぎじゃぁああ!

瑞稀五乱心である。byナレーター


…危ない危ない。

もう少しで新しい自分を見つけだしそうだったよ。


これ以上ワンコモードを見ていたら危険だ!


仕方ない、なんかむかつくけど教えてやるか。





「…姉だよ。」


「は??」



「だーっもうあたしの双子の姉だよ!」


「はぁ!?」

そんなに驚くことねーじゃねーか。

「もっぺんいってみろ」



「あたしの双子の姉。」

「うそつけ」


どんだけうたぐりぶり深いんだコノヤロウ!

まぁ大体こんな反応がくるって予想してましたけども!




「本当だよ。」

あたしの顔をじっと見る


じー







じー



うぜぇ




じー







「…ないないないないない。有り得ない。」



顔の前で手を振って全否定する不良君。




「しっつっこいんだよ!正真正銘の双子だよ!勝手に顔で判断してんじゃねー!失礼だな!」


あーもう怒ったから!


次なんか言ったらキレるから!


もう決定事項だから!



「平凡顔のお前があいつに憧れるのはわかる。けど嘘はいけねーぞ?」



はいアーウト!

神様。もうあたしは散々我慢しました。

理解出来ないあいつが悪いですよね!そーですね!

それじゃー



「これでもくら「何をしているんですか。」……え?」

初めて聞くハッキリとした声の方へ向くと、


いかにも優等生な感じのこれまた美形さんがおりました。









マイナスの空気と共に。










ゴゴゴゴゴ…

優等生君の背後にはブリザードが吹き荒れている。


瑞稀の野性の勘は生命の危機を感じてこの男に逆らってはいけないと判断した!



取りあえず予想外の展開により行き場を失った振り上げた拳を誤魔化すべく、

拳を開き、自分の頭を掻いてみる。


とりあえず沈黙も辛いし挨拶でもしとこうか?


「いやぁ…どーも「千秋。こんなところで何をしているんですか。散々あれだけ入学式にでなさいといったじゃないですか。ふざけないでください。誰がとばっちりを受けると思ってるんですか私ですよ?大体千秋が式に来ていれば私がこんなめんどくさいことやらされずに済んだのに。次やったらどうなるわかってますよね。取りあえず今日の私の仕事は千秋にやってもらいますから文句ありませんね?」…。」







「すみませんでしたぁぁぁぁ!」





即土下座をして謝ったのは千秋と呼ばれた男改め不良君。









ではなく。











この状況をどうにかしなければ死ぬ!と野性の勘が働いたあたし。





何でお前が!とかいう突っ込みはナシの方向で!
もう色々と必死だったんですよ!









顔に似合わぬマシンガントーク。
彼は相当怒っているに違いない。

かなり怖い。


しかし話し掛けられてる本人からの反応はない。


まああたし土下座してるから不良君の姿は見えないんだけど。


なんかいえやぁぁぁぁ!

「聞いてるんですか!?千秋。」



イライラした声に顔を上げると、鋭い視線で不良君をにらみつけているのがわかる。


ひいぃぃぃいい!


あの目を見たら死ぬ!確実に死ぬ!


「ちっめんどくせーな。」


舌打ちぃぃぃぃぃい!?


あんた死ぬ気か!?


「めんどくさい?何様のつもりですか。」


ほらほらー!

もっと怒らせちゃったじゃん!


「何様って千秋様に決まってんだろ。頭がかたい奴はこれだからよー。」

お前は馬鹿だー!

「いつまでたってもフラフラフラフラしてる貴方にそんなこと言われたくありませんね。」


おまえら軽くあたしの事シカトしてるよな?

あたしずっと土下座してんだけど!


あたし超みじめだよ!


あたし土下座してるのに完全に二人の世界入っちゃってるし!


どーすんだよもう優等生君おこっちゃってんじゃん!

もうあやまっちゃいなよ不良君!


「分かったよ。ご−−」


そうそう!


「−ごま」

は?


「マップ」



「またプかよ。ぷ、プ、pu…プリクラ(照)」

はぁぁぁああ!?

しりとりか!?

つかなに照れてんのじゃああああ!!

「それさっきいいました。」

言ったんかい!

つーか今謝る感じだったじゃん!?


いやもう急展開で全然意味分かんないんだけども!

「というかさっきからいちいち突っ込んでいる人が居ますね。」


「え!?あたし!?あたしは心の中でしか突っ込んでないよね!?うん。そうだよ。あたしじゃない誰かに違いない。」


「「いや全部声に出てるから(ますから)」」


まじでかぁぁぁ!


「ほら、また口に出てますよ。学習能力無いですね。バカですか?」

くっ


「可哀想だろそんな分かり切ったこといってやるんじゃねー。」


「そうですね。でも分かり切ったこともわかってないかもしれませんね。単細胞は頭がアレなんで。あっすみません。つい本音が出てしまいました。」


「何こいつら!めっちゃ息ぴったりにあたしを傷つけてくるんですけど!
おまえら本当はむっちゃ仲良しだろ!」


「「あり得(ません)ねぇ」」



「千秋。こんな失礼な方と知り合いですか?」


「知らねーし。」



「なんだとコラぁぁぁ!知らねーしだと?!あたしは何で土下座してたと思ってんだ!












勢いだよ。」







「…俺思うんだけど」

「…あなたもですか。」


そんで無視か!

ほんとあたしへの扱いひどいな!


なんか慣れてきちゃったあたしが悲しいや!


あたしが嘆いているとき、正反対の2人はにやりと笑いあたしを指差した。










「「生け贄決定。」」








はぁぁぁああ!?

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