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missing!
勝手に迷子になってんじゃねぇ!
亜稀side

はぁーっ小鳥さん可愛いー!

隣で瑞稀がなんか考えてるみたいだけど、まぁ、どーにかなるでしょ♪

ああいうときに瑞稀にちょっかいかけるとめっちゃ怒るからなー。

おぉ怖い怖い。

まあ怒ってる瑞稀も可愛いんだけどね!
さすがあたしの妹!

そういえばいつも瑞稀があたしの事

天然無自覚だから危ない!
一人に出来るだけなるな!
とかいってくるけど過保護だなー。あたしになんかにかあるわけないじゃん。(←無自覚)。
あたし的には瑞稀の方が可愛いとおもうのに。

髪の毛も黒に染めない地毛のほうが瑞稀には似合ってたのに。

なんでだろーねー。(←マイペース)


あっ小鳥さんが森の方へいってしまう…!!

待てー!


てってけてー。

あ、そうそう。なんかこの高校マンモス校で校舎むっちゃでっかくて、校内にちっさい森があるんだとさー。
なんか自然を感じるためだとか。


よくわかんないよね。(←適当)


「!!!!!…!」


後ろで聞き覚えのある叫び声が聞こえてきたけど

まあ気のせいってことで♪小鳥のいったほうに走っていくと


ちょっと広場っぽいところがみえた。真ん中にある噴水の石の台に寄り掛かって寝ている男が一人。

周りの林や木々を掻き分けてカサカサと音をたてて
近寄ろうとした。

その時、










「誰だ」










寝ている男の方から低い男らしい不機嫌な声がした。
えぇーちょっとなんで不機嫌なんだよいきなりこの人。

なんか出づらくなっちゃったじゃん。

あれか、『俺の安眠を邪魔した奴は許さねぇ』的な?









「俺の安眠を邪魔した奴は許さねぇ」








…!!


本当に言った!!私天才じゃない!?

あーやばいなんか面白くなってきた。

よし!いくわよ亜稀!
ワンニャン大作戦〜ファーストキスは甘じょっぱい味〜




亜稀いっきまーす!








亜稀は林に隠れて近くの木々を揺らし













「パヲーン」と一声。








完璧だ!と満足げな彼女に突っ込む人はここにいない。






もちろんあんな作戦で男を騙せるわけがなく…






「あぁ…。なんだ象か。」



え。まじで?










「んなわけあるか!!!」



すんばらしいのり突っ込みを披露してくれた良い男、

剣岳蓮夜は安眠をじゃまされた挙げ句、
馬鹿にされた苛立ちを爆発させ、
揺れた木々を腕力と勢いでなぎたおした。




そこには




誰もが目を奪われる美少女、水嶋亜稀が満面の笑みで立っていたのであります。



















こいつ…




出来る…!!







亜稀は今猛烈に感動していた。


初めて会った(?)人に恐れずのり突っ込みできる奴は、瑞稀以外に初めてみたからである。


それほど上手くないのにもかかわらず恐れることを知らず突っ込む精神!
初対面の人に悪印象を与える可能性を払拭させた根拠のない自信!
尊敬に値する!


ほめてる気がしない…BYナレーター


…あの男、なんか瑞稀に似てるなー。


あっそうだ!

キュピーン!

亜稀の目が輝いた瞬間である。



一方蓮夜もとまどっていた。

木々に隠れているのはどんなふざけた奴かと思えば
色々な女に言いよられた自分でさえあまりお目にかかれない程の美少女だったからである。



蓮夜だってかなりの美形である。
男らしい顔だちだが整っていて筋肉もそれなりについているのにスラリとしていて足が長くてモデルのようだ。

真っ黒な髪がより男らしさを引き立てている。

そのおかげか、女に困ったことなんて無かったし今まで沢山の女を見てきた。


その中には無かった、純粋な美しさに目を奪われた。


亜稀のキラキラした視線が自分に降り注ぐ。

あまりジロジロみられるのが好きではない蓮夜もなぜかいやな気持ちにならなかった。


お互い見つめ合い、しばらくがたち、ようやくあの御方が口火を切った。


「先輩ののり突っ込み魂に惚れました!ぜひとも名前をお聞かせください!」



亜稀、輝かんばかりの笑顔。

心なしか蓮夜の顔がほんの少し赤くなったように見える。




「…俺の名前を知らないのか?」



そして意外そうに蓮夜が言った。




「えっと…どこかで会いましたっけ?…すみません。人の名前とか覚えるの苦手で…」


あれー、誰だっけ?思い出せない…うーん、一度会ってたら忘れなさそうな濃いキャラなんだけどな。(←何気に失礼。)瑞稀に聞けば分かるかな?


蓮夜のことを思い出そうとしているのだろうか。

何を考えているのか手に取るように分かる。

うーん、と唸りながらコロコロと表情がかわる亜稀が蓮夜はどうしようもなく愛しく感じた。


「可愛いな…」


蓮夜はぼそっと呟き

亜稀の頭をくしゃっとなでた。

「わあぁ、ちょっと先輩?」


さっきの蓮夜の呟きは聞こえなかった様子。

いきなりのことでわたわたしながら蓮夜を見上げる亜稀の顔は赤くなっている。

「ちょ、やめてください!」

蓮夜はクスクスと笑った。


「いや、あったことは無い。気にするな。…そうだな、俺の名前は剣岳蓮夜だ。覚えておけ。」


「えーとまあ自信無いですけど…(自分から聞いといて自信ないのかよBY蓮夜の心の叫び)。私は水嶋…瑞稀です。」

そして亜稀ははにかむように笑った。


否、もう亜稀の虜となった蓮夜にはフィルターがかかってはにかむように見えたようだが


彼女をよく知る人間がみれば、何かを企んだ笑み、









嵐の前兆なのである。





「瑞稀か…。覚えておく。俺はお前を気に入った。俺のもんになれ…瑞稀。」

そして亜稀に顔を近付ける蓮夜。

自分を瑞稀と間違えている蓮夜に内心爆笑中の亜稀。


完全に遊んでいる。

瑞稀と似ていると亜稀に思われた瞬間、蓮夜は、瑞稀と同じでいじりからかい対象にされてしまったのだ。

亜稀は自分の危機、そして『俺のもんになれ』発言の意味に気付いていない馬鹿。


亜稀にの唇に蓮夜の唇がくっつきそうになった。





その瞬間、近くから声が聞こえた。





『うっわー!男ががっついちゃってはっずかしー!』

















『口説き落とす自信がないからって手だすなんて男として最低ー』





ええ??






『小者!変態!いやーんセクハラよぉ〜!』







??一体なんなんだ!?









「誰だっ」



ちっなんなんだこのムードぶち壊しの声は!!

あともうちょっとのところを邪魔されたことに苛立ちを隠さず声の持ち主を探す。





すると、意外な人から反応が。


「じゃーんじゃじゃーん♪」

目の前の笑顔の素敵な亜稀からである。

亜稀はうれしそうにポケットから防犯ブザー的なものを出してきた。

その黄色い物体は

『…あなたっあたしの事は遊びだったの?!あの時のあの言葉は!あの気持ちは夢物語だったの?!』

『貴様!千恵子さんを泣かせるなんてなんてやつだ。この俺が成敗してくれる!
レンジャーレッド!へーんしん!!』


などと未だ話し続けている。
あのムードをぶっ壊した声の持ち主はこの黄色い物体だったのだ。


思わぬ急展開に頭のついていけなかった蓮夜はかたまったまま。


そんな蓮夜に




「いやぁ、この黄色い防犯ブザーっぽいのもたされて、
男の顔があたしの顔に近づいてきたら押せっていわれたんですよー。」

おしてみたんですけどもーこれ本当に何なんなんですかね?


と亜稀は蓮夜に無邪気に首げながらきいてくる。
蓮夜の方が身長が高いわけで、自然と上目遣いに。


ドッキューーーーン!!


剣岳蓮夜にクリティカルヒット!!
効果は抜群だ!

蓮夜に25252525のダメージ!

蓮夜は戦闘不能に!


黙ったままの蓮夜に
亜稀は話を続ける。


「先輩って優しいんですねー。」


「え?」


蓮夜、亜稀のビックリ発言で復活。

生まれてこのかた優しいなんて言われたことがない。

まあ媚を売っているやつは抜かして、だが。

自分自身、自分が優しいとは思っていない。

親の権力をつかい自分勝手にやってきたからだ。

あぁもしかしてこいつも俺の親の権力にくらんでよってきた奴らとかわりないのか…。

なんだか胸が痛くなった。今までは『またか』で終わっていたのだか、いつの間にか蓮夜は彼女はそうじゃないと思い込んでいた。

なぜだろう。


普段は疑ってかかるのに。


自分らしくない。

そう、蓮夜がちょっと沈んでいるとき、

亜稀はまたもややってくれました。

「え、だって顔に付いてた『人気上昇中!焼きプリンIN THEマヨネィーズ風味なす田楽ガム』の包み紙のゴミの塵でも取ろうとしてくれたんですよね?優しいです。」






「は?」


いやもう突っ込む所多すぎんだけどとりあえず


こいつは俺がキスしようとしてたことに気付いてねぇ。

しかもゴミとろうとした優しい先輩、と俺は勘違いされているみたいだ。



「えっまじ先輩知らないんですか!?田ガム。美味しすぎて卒倒した人いますし。田楽ガム以外にもですねエビチリと宇治金時の夢のコラボとか、結構いけますよ!」


どんな味覚してんだあぁぁ!

つっこみ所が多すぎて処理出来なくなった蓮夜の中の何かがプッツンと切れた。







「田楽ガムについてなんて誰も聞いてねー!

しかもなんだその有り得ない味のガムは!

つーか普通『顔に付いていたごみでも』ってゆーところだろーが!
ゴミの例えが詳しすぎだろ!」


一気に思ったことをまくしたてた。
こんなに取り乱したことはない。




こいつがいるとなんだか調子が狂う。



全てをいい終えてすっきりとした蓮夜に亜稀は



「63点。まだまだ突っ込みが甘いですね。」
あたしの妹の方が断然上ですよ。

と、ふにゃっと亜稀はいたずらに成功した子供のような笑みを蓮夜に向けた。

その笑顔に胸があたたまった。


このやわらかな空気の中にずっといたいと思った。





はじめは顔が気に入った、それだけだったのに。




本当に調子が狂う。



でもそれもいいか。とおもえた。


もっとこいつのことを知りたいと思った。


今までになかった


初めてのこの気持ちは














勇者蓮夜は新しい恋を手に入れた。▼






















現在亜稀は蓮夜に体育館まで案内してもらっている。



あっどうも亜稀です。
皆さんお久しぶりですね。
最近ずっと先輩目線だったみたいだねー。


先輩は相変わらず瑞稀っぽくて面白い。

先輩見てたら瑞稀のこと思い出した。

「あの子ちゃんと体育館ついたかなー。」

あの子ってのは瑞稀のことね。

っほら今あたしが瑞稀ってことになってるから先輩の前で瑞稀っていえないんだよねー。

「お前、誰かと一緒にきていたのか?」

隣で歩いていた先輩が反応する。

「はいー。双子の妹ときました。」

「おまえ、双子だったのか!」

「そーです。むっちゃ可愛いんですよー。単純馬鹿で。」

「ほめる気ないだろ。」

「いやバカな子ほど可愛いっていうか。でもあの子わりとしっかりしてるから迷子にはなってないと思うんですけど、不幸体質なのか、いつもトラブルに巻き込まれてるんですよね。」

自分が巻き込んでいるということには自覚がないようだ。

「そういえばさっきいってたなす田楽ガム食べておいしすぎて卒倒したのって妹です。」

「それ絶対おいしすぎたからじゃないだろ…」

蓮夜は妹に同情した。

しかしその同情も次の亜稀の言葉でふっとんだ。

「あとあの防犯ブザーくれたのも妹ですよー。」


あとちょっとの所を邪魔されたムカつきが舞い戻ってきた。

妹め!よけいなことを!


絶対許さん!



瑞稀は知らない所で敵ができてしまったようです。























そのころ瑞稀は

「ぶうぇーっくしょん!」

「きったねーな。」

「近寄らないでください。」

「ひっひど!!」


瑞稀の両側には2人の少年。1人は切れ目のいかにも優等生な感じの黒目黒髪眼鏡。
もう一人はつり目でいかにも不良。

肩にかかる程の長さのある金髪に大きくあけた胸元からはジャラジャラしたネックレスが見え、耳にはピアス。

全く正反対の二人。

唯一の2人の共通点はカッコいいってことだ。

「あ゙ぁ゙!?なにジロジロ見てんだよ。うぜぇ。」


不良少年!なんでお前は『あ』点々つけてはなすんだよ!


「なんでお前はいっつも喧嘩腰なんだよ。つーか誰もお前なんかみてねーし!自意識過剰なんだバーカ!」


「まあお前よりは人から見られてる自信あるけど?」

うわっうっぜぇ、こいつうっぜぇ。

「こっこしゃくな…。くそっちょっとかっこよくてフェロモンでてるからって…優しくない奴はモテないんだからな!」


「褒めてるようにしかきこえねーな。まあお前と違ってモテモテだし?女に困ったことはねーからな。心配無用。お前なんてどうせ付き合ったこともねぇんだろ。」
不良はにやっと笑う。

「ぐ…ぬぬぅ」

「図星か」



「こっこのや「うるさい」……はい。」


周りの空気がマイナスになった。

瑞稀と不良とのくだらない論争に優等生君がついにキレた。

「千秋!水嶋!貴方達には遅刻しているという自覚はあるんですか!ふざけるのも大概にしてください。貴方達の頭はハムスター以下ですか。」

「「すいません。」」





どうしてこんなことになったのか、時間を巻き戻して説明しよう。


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