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missing!
猫の存在?わわわ忘れなんていませんよ
や、いみわかんないよな、うん。あたしもいまいち脳が拒否ってて理解できないでいるけど


教室中の机や椅子がひっくり返ってごちゃごちゃになり、クラスメートと思われる数名は床にはいつくばっていて、残りのひとたちはベランダに避難している。


教室の真ん中には子猫を抱えて満足そうな亜稀様がいた。

そして教室に入ってきた瑞稀を見つけると得意げに笑って言ったのだった。

「えへへーいいでしょ瑞稀!ねこさんひろったー!」

無邪気に周りにお花を散らして言う亜稀についつい許してしまう


「良かったねー。今までいないと思ってたら猫探してたんだなー。ってんなわけねーだろぉぉお!」

…わけないだろうがぁぁああ!

猫捕まえるのにこんなに教室を破壊する奴があるか!

瑞稀は亜稀に詰め寄ると、

しかりつけようとしたその時。


ドタドタドタ

「あぁきぃぃぃ〜心配したんだぜー!」

あたしを追い抜かして亜稀を抱き締める千秋登場。

亜稀はあたしに怒られると身構えていたからか、突然の事におろおろ対処出来ていないようだった


周りからはきゃぁーとかひゅーひゅーとか聞こえるけど気にしないんだろうか。


するとまた瑞稀の後ろから残りのメンバーがやってきて、千秋と亜稀を取り囲む。

真琴はなんか「きゃーきゃー生で抱擁っスよ!さすが逆ハー!」

とか叫んでたし、理沙は「離れてよ変態!」と叫びながら千秋をベリっと亜稀から離し、亜稀に「大丈夫!?変なとこ触られなかった!?」と確認していた。


理沙に亜稀から引き剥がされた千秋はその勢いでテンパ野郎とぶつかった様で、また喧嘩をおっぱじめている。


つーかいいのかなぁー教室このまんまで。これって学級崩壊の始まりになったりしねーの?

そして大丈夫かなぁーこのクラス。普通こんな状況引くだろうに、きゃーとドラマの撮影を見てるみたいなノリの子や、もっとやれ!とはやしたてる男子、微笑ましく見守っている人達ばっかりなんですが。


はぁ…もうすぐ朝礼とかはじまるんじゃないのかよ…。と瑞稀が時計を見ようとした瞬間、亜稀がきになる一言を発した。


「うん?もしかして皆知り合い?」

瑞稀も知りたかった事なので内心亜稀に感謝した。

真琴がそれをうけて説明してくれた。

「あぁ千秋と私と理沙と桐生とあと今居ないけど米澤が前同じクラスでよくしゃべってたんスよ」

てことは米澤とも知り合いなのか。
てか桐生って誰だ?なんか聞いたことある気がするけど。脳内ブラックリストが反応してる気がするけど。きっ気のせいだよな!


それじゃあ、と瑞稀が言った。
「じゃぁテンパは?」

亜稀も同じことを考えていたのか、テンパを見て首を傾げた。

すると突然千秋が「見るなー見るなー!亜稀を穢れた目でみるんじゃねぇ!」
と顔を真っ赤にして言うが

穢れた目で見てんのはお前だろ。
再び千秋が亜稀に抱きつきそうだったから蹴り飛ばして亜稀の腕を瑞稀の方へ引いて千秋から離した。

千秋が超ガン付けてきたりとか

亜稀が「やだっもう瑞稀ったらごういんなんだからぁー」とかいいつつ体をくねくねさせてたりとかテンパと理沙と真琴がひゅーひゅー「お熱いねぇお二人さん」とひやかしてきたりとかそれに照れてる亜稀とかなんか真琴がすごい勢いでメモとって「そっちもアリすか…」とか呟いてたことなんて


見なかったことにした。

んで、亜稀は瑞稀のうでなしがみついたまま

じーっと亜稀はテンパを見つめてぽそりと一言。

「…もしかしてテンパ君が桐生君ー?」



なるほど。まぁ確かにそれだと真琴の説明の仕方も納得がいく。しかしよく考えたな亜稀。


「…え。」

テンパ野郎は一瞬目を見開いて驚いたみたいだった。


しかし、テンパ野郎が何か言う前に真琴が拍手しながら亜稀に呼び掛けた。

「正解っす!何でわかったスか!?…あぁもしかして桐生先輩に桐生が似てたからスか?実は兄弟なんスよー!」

からから笑いながら真琴がいった。

桐生先輩…?

…まさか生徒会にいたあのへらへらした奴か!まじでか!あいつとテンパ野郎兄弟だったのか!

まぁ言われてみれば似て無くもないかな。

「やっぱりそうなんだ〜」

亜稀がほわほわした口調で、テンパに覗き込むように言った。

「…そうだけど。」

そう素っ気なく言うテンパは相変わらず無表情だったけど、確かに亜稀を見る目は揺れていた。


まぁ亜稀がそれに気付かない訳が無くて、

テンパを安心させるようににこっと笑い、


「まぁ確かに似てるっていえば似てるけど、全然違うタイプなかんじがするよ。でもあんまりまだ君のことも桐生先輩のことも知らないから何とも言えないなぁー。これからよろしくねテンパ…いや桐生くん?」

ふにゃっと全てを包み込んでくれそうな温かい笑顔で亜稀は微笑む。

するとテンパは一瞬驚いたような顔をしたあと、ぼそりとつぶやいた。

「……でいい。」

「え?」

「俺のことは悠哉でいいから。桐生だと兄貴とかぶってややこしいでしょ?」

「…えっあっそっかわかりにくいもんね。よろしくね悠哉くん」

「ん。…亜稀」


そういったテンパは相変わらず無表情だったけど、なんか雰囲気が柔らかい気がした。

うん。…ほんとに、亜稀は周りを幸せな気持ちにしていくんだよな。

近くで千秋が「お前…まさか!」とテンパに飛び掛かろうとしているのを必死で押さえ付けるクラスメートが見えたのは気のせいということにしておいて、

瑞稀が微笑ましい気持ちでみていると、横で

「ひゅーやるねぇゆ・う・や・く・ん」

と理沙が冷やかしてたので瑞稀も便乗してみた。

「いきなり名前呼びたぁ積極的だねゆ・う・や・k「あんたに名前呼ばれるつもりないから」…は!?」
それをさえぎるようにしてテンパはいう。

「ちょっと先輩に優しくされたからって調子のってんの?」

なにその先輩に恋する恋敵みたいたセリフ!

つーかなに意味不明なこと言ってんだよ!カチンときた!

「は?意味不明だし!誰もおまえのこと名前で呼びたいなんていってねーし!お前なんて一生『桐生ー!』てよばれて振り返ったら兄貴のことで、やだ俺振り返っちゃった恥ずかしい!って経験を繰り返し続ければ良いんだ!」

それに間をあけずして反論するテンパ。

「何意味不明ってごまかしてんの。風紀委員長にほほそめてたくせに。先輩は誰にでも優しいタラシだって言った「瑞稀ー!?」「桐生ー!」…は?」

テンパの超ハイペースの反撃を、なんだかいきなり瑞稀を睨み付ける亜稀と、クラスメートの拘束を振り切ったとおもわれる千秋の叫び声で遮った。

「瑞稀ちょっとほほそめてたってどういうことよ!?」「お前もまさか亜稀を…になったんじゃねぇよな!?あ゛ぁ゛?!」


亜稀、千秋それぞれが瑞稀、テンパに迫ってきた。

真琴は千秋とテンパをうれしそうに見ているし

「つかお前いつも俺につっかかってきやがってあぁあれだな!俺のこと大好きなんだな」

「自分で思い上がりの勘違いしてるよーうわーいたいいたいみてられなーい」

「てんめぇ」

「はてあなた誰でしたっけ?僕の記憶のかけらにもないんですが」
「なっくそっ俺もぜんっぜん知らねーこんな奴!超初対面だしな!はじめましてこんにちは!」



理沙は瑞稀と亜稀を眺めて楽しそうだ。


「こんなに丹精込めてそだてたっていうのに!どこの牛の骨かも分からない奴をつっかけてきて!おかぁちゃんそんな子に育った覚えはありません!」

「日本語へたくそすぎだろ!つか風紀委員長はそんなんじゃなくてただプリンを…」

「プリン!?プリンと言いましたね!?さぁ白状しなさい。どんなおいしいプリンを…いやいや二人の関係を!そして私にその風紀委員長とやらを紹介しなさい瑞稀の手作りプリンとともに!」

「話最後まで聞けよ!つかそれ亜稀がプリン食べたいだけだろ!」
「そんなことありません!ただ私は瑞稀のこと純粋に心配し…」

いつまでつづくんだこのやりとり。誰かたすけてくれぇー!




「さーおめーらホームルームはじめるぞー」



ガラガラガラ




きゅっ救世主!













「間違えました」







ガラガラガラピシャッ


閉めんなよ!

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あきゅろす。
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