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missing!
2−Aはこんなとこ
で現在。瑞稀が昨日の出来事を振り返っているうちに学校に着いた。
その間も亜稀は周りを興味津々にキョロキョロみまわし、理紗は学校の説明をしていた。


昨日の担任の話によると初めて教室に行くからといって、職員室にいって担任と共に教室へ。みたいなことはしないらしい。

そのまま直接教室に登校しろといっていた。
担任いはく、なるべく早くクラスメンバーと接して早くクラスに馴染むようにとのことだが、瑞稀はただ面倒だからじゃないかと疑っている。
隣にいた亜稀は「さすが先生ですねー」みたいなことをいっていたが。


寮が学校の領域内にあり、寮から校舎まではめちゃめちゃ近いとはいっても、3人は遅めに出てきたのでもうすでにたくさんの人が玄関や廊下などで騒いだり教室に向かったりしていた。



瑞稀たち3人が通りすぎる度に周囲にいた人たちがちらちらとこちらを向く。

やっぱり編入生は目立つという予想は当たったなと思って居づらい気持ちになっていた瑞稀の耳に周囲の声が届く

「あの子可愛くねぇ?」

「あんな可愛い子いたっけー?」

「あの子じゃない?生徒会長に指名されてた人!」

「あーなんか生徒会長の気持ちわかるかもー」

「理紗先輩だこんにちわー。」

等々。



つーかほとんど昨日の入学式で目立ったかわいい子、亜稀のことばっかじゃねぇか!

誰もあたしにはつっこまないんだな!いいけど!
まぁ亜稀は待ち歩いててもよく噂されてるから予想どおりの展開でもある。

それに噂されているといっても可愛いとか入学式のことばっかりで編入生を匂わせる言葉はきこえない。

もしかしたら元々生徒数の多い高校だから見知らぬ人の一人やふたり、どうってことないのかもしれない。

予想どおり入学式であたしが少しだけ注目を浴びていたなんてことは誰も覚えてないようで、あたしの噂なんてちっともきこえない。

それには少しほっとしたが、亜稀がいる限り地味に生きるなんて無謀なんじゃないかと思えてきている今日この頃だ。


当の本人亜稀は周りの声は聞こえていないのか


初めてしっかりと見る校舎に輝かんばかりの瞳で嬉しそうにエンジェルスマイルだ。

うんなんかキラキラしてるぜ眩しいぜちくしょう。






んで。


「教室につきましたぜ親分!」

ビシイッと亜稀に敬礼する理紗。

「良くやった弟分!」

ふんぞりかえって理紗の肩を叩く亜稀。


もう何もいうまい。

おまえらほんとに高校生か!とつっこみをいれたいところだが
まぁ誰にも迷惑かけてないしいいか。

うん亜稀に理紗よ。優しい妹と友をもって幸せだな。

あぁもう扉の前だ。
あとは開けるだけだ。

第一印象でキャラが変わったりするしな。

よし。入学式で変な事やらかしちゃったから真面目なかんじでいこう。あたしは
無害だぜアピール…



あたしが心の準備をしている間に亜稀と理紗はあたしと扉の間に立ち、
躊躇なく扉を開く。

ガラガラガラ

「あちょっ待っ!!」
おいこらもうちょっと心の準備させろや!と瑞稀は二人に後ろから声をかけるが
前にいる二人はなんにも聞こえてんませんよとばかりにおもいっきり亜稀は扉を開く


それはもう、気持ちいいくらいにな。


バーン!


思いっきり扉を開けたため扉がぶつかって大きな音を立てる。
その音に反応してか、中にいたクラスメイトはみなこちらをくるりと振り向いた。
まぁそれは見えた範囲のことで、あたしの前には亜稀と理紗が並んでいるため真正面はいまいち見えない。




そして一瞬の間が空いて




「亜稀!?」
「亜稀ちゃん!理紗!?」


うーんなんか聞き覚えのある声がするぞ。
教室の中から。


すぐに声の主の予想はついたが
まさかね?
まさかのまさかあのお二人ですかね?

瑞稀が確認をしようと声のする前方・・・亜稀や理紗がいてよく見えない真正面の教室の中を覗き込もうとした瞬間

「亜稀ちゃん、りーさー!」


聞き覚えのある声がこちらにむかって急接近してくるのが音でわかる。


そして


まるで打ち合わせでもしたかのように瑞稀の前に立っていた二人が左右にスッと瑞稀の前が開かれるように移動した。

よって瑞稀の正面にはなんの障害物もなくなったのだが

目の前には人らしきものがもうすでに迫っていて

瑞稀が接近してくるものを確認する暇もなくそれは瑞稀に勢いよくぶつかってきた。

「どうぐぅっは!!!」

ものすごい衝撃だったが、何とか倒れることは防ぐことができ、よろよろしながら

衝撃に驚いてつぶっていた目を開くと、目の前には元気っ子生徒会書記真琴さん。


「瑞稀ちゃんもいたっスねー!!おはよっス!!」

軽く敬礼のポーズをしながら元気よく瑞稀に挨拶してくる。

「お、おはよう」

戸惑いつつ瑞稀も挨拶を返す。

聞き覚えのある声の一つは真琴だったようだ。

瑞稀の予想道理だった。真琴は全然問題ないのだ。

問題はもう一人の方なんだが今はそっちに気を向ける余裕はない。

っつーか

「お前らよけんじゃねーよ!!あたしが後ろにいたこと知ってただろ!?」
いきなりの衝撃でびっくりだったわ!


亜稀と理紗への文句も忘れてはいけない。

すると理紗はにやりと笑って言う
「瑞稀がいたからにきまってるじゃん」

はぁ!?

亜稀も真剣な顔をして言う。

「瑞稀なら受け止めてくれるって信じてたよ!」

「んなことで信じられてもうれしくねぇよ!」

まったくもって不本意だ!

「そっスよ!ひどいっスよ!私も理紗と亜稀ちゃんなら私の愛受け止めてくれると信じてたっスよ!?」

私も傷ついたっス!とむくれている真琴。
こんなしぐさもかわいらしい。

というかいまさらだけど理紗と真琴知り合いだったんだな。

まぁ同じ学年だし可能性はあるだろうな。
つーかこのクラスにいたってことは同じクラスなのか?

瑞稀がいくつ疑問を持とうがお構いなしに話は進む。

「いや私たちも受け止めたかったんだけどね?」

「嘘つk「瑞稀がどうしても真琴の愛を受け止めたいっていうからさー」ちょぉおい!?」

瑞稀のつっこみも無視して理紗が真琴をフォローする。

「そっかーそうだったっすか!今まで気づかなくてごめんなさいっす!亜稀ちゃんと理紗の陰でみえなかったんすよー。
これからはすぐさま見つけて愛お届けするっすよ!」

できれば永遠に気づいてほしくなかったけどな。

てかこういう場合はつっこんでいいのか?


転入した身だとどういうノリでいったらいいのか困る。

いらないことして空気読めない奴にはなりたくないし

馴れ馴れしいとおもわれたり調子乗ってると思われるのも嫌だ。

その学校ごとにノリや空気があるんだろうし、それを打ち壊すと波長があう人とはうまくいくが、風当たりは強いのだ。

瑞稀はどう反応していいかわからず

「え・と…それは…」
返答に困っていると

「あっははははははは」
大爆笑の理紗。
もうどうしてくれんだよ理紗この状況!!

お前が元凶だっつの!笑ってんじゃねぇ!

「理紗っおまっふざけん「あはははははははは」…えぇえええ!?」

瑞稀が理紗に文句を言おうとしていたら今度は真琴が笑いだした。

理紗はわかるけど、なんで真琴までわらってんだよ!

「ひっあはっ瑞稀ちゃん反応良すぎッスっぷふっあははは冗談に決まってるっす」

「ふざけんじゃねぇぇぇぇぇええ!」

色々と悩んだあたしの気持ちを返せコノヤロー!

「あははっ良かったっス。思いっきりつっこんでくれて。今まではまだ距離を感じてたっスよ。
これからは遠慮なんていらないっスよ!えと…瑞稀ってよびすててもいいっスか?」

しまったな。無意識に距離置いてたかなあたし。

いやでも初対面になかなか突っ込みなんてできないだろ。

あたしに失礼なことしやがったやつはそんなの気にしなかったけど、真琴はそんなことあんまりしなかったし。

でも距離を感じさせてたのか。

確かに理紗とか亜稀にはもう遠慮なんか粉々に消え去ってるから距離感はあんまないしな。

それと比べたら真琴とはまだ距離があったのかもしれない。

なんかちょっと悪かったかな。

「おぉ。もちろん。あたしも真琴って呼んでいい?」

それなら今から近づいてみれば良い。
理紗も真琴も昨日会ったばっかで、相手の事はまだよくわかんないけど

同じ時を共にすることで人と人の関わりは深くなるから



「もちろんっす!よかったっスー。」
本当にうれしそうな顔をする真琴。
真琴の周囲にお花のオーラが見える。
昨日の真琴は少女漫画ラブなところしかみてなかったけど、

ちゃんと相手の気持ちを考えられる

やさしい子なんだな。


つい笑みが漏れてしまう。


すると


「ちぇすとぉぉぉぉぉおおおおおお!」

突然真琴と瑞稀の間に亜稀が割り込んできて

「ぐっはぁ」

瑞稀にラリアットをくらわした。

いつの間にそんな技身につけてたんだよ亜稀!





「亜稀!?どうしたんだよ!?」

亜稀の後ろで困惑したあいつがいた。
亜稀は今まで会話に参加してこなかったと思ったら、教室にいたもう一人のあいつと話しこんでたようだ。

ほらあいつだよ。

教室の扉を開けるや否や誰よりも早く亜稀に反応し

あたしが会いたくなかったあいつ


「クソ千秋!」

「花子じゃねぇかよ」




もうやだ。

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