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missing!
まぁ色々と大変だったんですよ。







あたしは水嶋瑞稀十六歳。


ちょっと不幸体質なところがたまにきずの普通の女子高生☆


双子の姉と高校に編入することになったの!


そしたら編入初日から生徒会長直々に生徒会補佐に誘われて強制的に入れられちゃった★☆


そして会長からはお前はパシリ宣言!?



私これからどうなっちゃ「だまらっしゃい!」ぶー。」



「ぶーじゃねーよ。なんで勝手に語ってんだ!しかもあたしは雑用係だパシリじゃねぇ!」


ども。瑞稀です。

ちなみにさっきの少女漫画的自己紹介はあたしじゃないですから!

あたしの双子の姉亜稀さんのセリフですからまったくもう!


ムカついたからぶーたれてる亜稀の頬をおもいっきり引っ張ってやった。


「いーいひゃいいひゃい。ごふぇんなふぁいー。」


涙目でそう訴える亜稀。この表情に何人の男が虜になったことか。

そしてそのせいであたしが『あたしこれからどうなっちゃうのー!?』的な状況になったのだ。




あーなんか腹立ってきた。



瑞稀は亜稀の頬を引っ張っていた手の力を強める


「こんにゃろーめが!」



ぐぎぎぎぎぎ


「いひゃいいひゃいいひゃいいひゃいいひゃい」




「ストーップ!」



亜稀の頬を引っ張っていた瑞稀の腕を第三者が軽くチョップを食らわせ、瑞稀の行為を止めさせた。

「なんだよ理紗ー。」


瑞稀は亜稀の頬を引っ張るのはやめたが、チョップを食らわせた少女に不満の声を上げる。

先ほど瑞稀にチョップを食らわせた第三者は理紗というようだ。


「腹立つ気持ちは分かるけど亜稀泣きそうだからやめたげて!あと早く朝ごはん食べないとまた今日も遅刻するよ!」


そう言い、カチャカチャとナイフとフォークを器用に動かし朝食を食べる理紗という少女は
セミロングの黒髪を一つにまとめてポニーテールにしていた。

たしか昨日はカチューシャみたいなのをつけて、髪を巻いていた気がする。

まぁ普通におしゃれに気を遣う女子高生ってかんじである。

彼女についての詳細は後々説明するとして。






さぁて、今の状況を説明しよう。

いつ・本日は入学式の次の日の朝
どこで・一人一部屋与えられる寮の瑞稀の部屋で
誰が・自分の部屋で寝て自分の部屋で朝食を食べているはずの亜稀と理紗が
何をした・瑞稀特製ハムエッグトーストを食べている。



問、以上の中で矛盾している点を述べよ。



そんなことを考えていると亜稀が不意に挙手して言った。



「はい先生!」



「なんだね水嶋君。」

急な学校コントもノリノリで対応する理紗。


「瑞稀の料理の美味しさを持ってすれば何の矛盾もないと思われます!」


「その通りっ」

ズビシっと亜稀を指差して声を張り上げる理紗。


「いや矛盾あるからな?!」


反射的に突っ込んでみたけど



問題だしたのあたしの心のなかじゃなかったか?

「もしかしてまた心つぶやき声に「「出てた」」…」

何回やってんだよこのパターン!
もうあたし疲れてきたよ自分にな!



瑞稀が自分に突っ込んでいると理紗が二人を急かす。



「2人とも!もう時間だよ早く準備して!学校行くよ!」


「イエッサー隊長!朝ごはんも完食し準備は万全でありますっ」


ビシィっと敬礼のポーズをとる亜稀。


「いやまってまだあたし朝食たべてないよ!?」


2人に突っ込んでたらいつの間にか食べ終えてないのあたしだけか!

「だいじょぶだいじょぶ!わたしが瑞稀の分まで食べておいたよ!」

と微笑むプリティー亜稀さん。


今日も素敵な笑顔をありがとう!って


「はぁぁあああ!?ふざけんなあたしの朝食ー!」


あたしが何のために朝食つくったとおもってんだよ!
自分で食べるためだよもちろん!

「はぁーっ美味しすぎるって罪だよねー。」


「旦那ぁーこんな上手い料理つくるなんてすみにおけねぇなーコノコノっっ」


反省の様子ゼロで話す亜稀。

「やるなぁー」なんて言いながら肘でつっつく理紗。

そのお相手は


何故か机のうえに置いてあるマトリョーシカ。


「てめぇらわざとやってんだろ。」
怒りで沸々と煮えたぎる瑞稀。今なら背後に冷凍トルネード一個くらいは召喚できる気がする。
いやでも大人な余裕を見せ…

「「そんなバナナ☆」」

られるかバカやろぉおおお!

「いぃかげんにしろやぁぁああ!」








あぁもうこんなんでこれからもやっていけるんだろうか。



瑞稀の心には不安しかない。








今は寮から学校まで歩いているところだ。

瑞稀の両脇にいる理紗と亜稀はみっちり叱られてしゅんとしている。

まぁ2人のことだから反省は3分と持たないだろうけどな。

完全に2人の事を理解している瑞稀であった。




今日から初授業、そしてクラスメイトと御対面だ。

そう思うと少し緊張する。

何事も第一印象は大切だっていうしな。

昨日は編入初日だというのに大変だったなーと瑞稀は学校への道のりを歩きつつ昨日を振り返った。


昨日、生徒会+αとメルアドを交換した後、まだ担任の先生に挨拶していなかった事に気付いた瑞稀は「亜稀はおいてけ」と豪語する生徒会+αを無視して亜稀を引っ張って担任のところに行った。

担任のところには、風紀やら生徒会やらから連絡が一応入っていたらしく、思ったほど怒られなかった。

さらに亜稀の天然っぷりを見た担任は瑞稀に同情し、「がんばれよ」と瑞稀の肩を叩いた。

理解ある先生に瑞稀は感動した。

瑞稀の好感度が10上がった。



え?担任の名前?




忘れた。




先生はさらに付け加えて瑞稀に言った。

「いやーお前がまともそうな奴で良かったよ。お前なら水嶋姉のトラブルも生徒会の暴走も俺が出動する前に止めてくれると信じているぞ!因みに俺は生徒会顧問だ!P.S.俺は面倒なことは大嫌いだぜよろしく!」

先生は親指をぐっと突き出し
先生の眼鏡がきらりと光る。
なんてとっても素敵な笑顔。


瑞稀の好感度が100下がった。

瑞稀は反面教師を覚えた。


え?担任の名前?


覚える気無かった☆



その後、寮生である亜稀と瑞稀は寮の説明を受けるべく担任と亜稀と寮へ行った。

寮につくと担任は

「後のことはおまえらと同じ寮生に任せてあるから!いーや、ほんと残念だなぁー。俺ももうちょっとおまえらに説明してやりたかったんだがなー。俺は仕事があるしな。決してめんどいとかおもってないぞ?いやいやほんとザンネンダー」

「最後の方棒読みでしたよ先生。」

なんなんすかオーラを隠すことなく瑞稀は言った。

「はははっそんなわけないじゃないか。それじゃあな。」

そう言って立ち去る担任。

「…なんて自分に正直な先生なんたろうな。」

爽やか(?)に立ち去る担任の後ろ姿をみてそうつぶやかずにいられない瑞稀であった。

そんなとき

瑞稀の隣にいた亜稀が何かを見つけたようだ。
「瑞稀ーあの人じゃない!?」

亜稀の指差した方を見ると寮の前で壁に寄りかかって携帯を弄っている女子高生が一人。
スカートも副会長さん程ではないがそれなりに短く、髪型もカチューシャみたいなのに前髪はちゃんとあってセミロングの髪を軽く巻いてある。
おしゃれに疎い瑞稀には良く分からなかったのだがなんだか今どき風の女子高生っぽいなーと思った。

少女は携帯に集中しているしどのタイミングで話し掛けようかでも人違いだったら嫌だし寧ろこの視線に気付いてくれとか瑞稀が思っているうちに亜稀様は動き出していた。


「こーんにっちはー♪」

いつの間にか亜稀は少女の目の前に立って大声をだしているではありませんか!

少女は小さくうわっと声を上げた。

少女との距離を一定にたもっていた瑞稀も2人に駆け寄る。

「ちょ亜稀!いきなりそんな大声だしたら相手ビックリするだろ!」
べしっと亜稀の頭を軽く叩く。

すると叩かれたところを大げさに庇うように押さえて亜稀はぶーたれた。

「あーわかった瑞稀すねてんでしょ第一印象強烈なほうが覚えて貰えるからってー。大丈夫大丈夫瑞稀も…」
「ちげえよ!」

おもわず亜稀に瑞稀がつっこむと
「あはははっくっくっくっ面白いね2人とも!」

少女が吹き出して笑っていた。

「はー。面白かった。同じクラスで寮生なのは私達だけなんだよ。面白い人で良かったー。これからよろしく!」
そう笑顔で話す少女はとても可愛かった。


その後その少女に寮の案内や説明をしてもらった。

同時にお互い自己紹介をした。

少女の名前は川上理紗。高校一年から寮にいたらしい。
担任の話をしたら「あのくそ教師!」
と舌打ちした。

うんなかなか理紗とは仲良く出来そうだなと瑞稀は思った。


部屋は一人一部屋でマンションみたいに広かった。というかモロマンションの作りだった。ちゃんとクーラーキッチンなどもある。

うわー独り暮らしみたいだなーとわくわくしてきた瑞稀であった。
炊事洗濯は自分でやると少し安くなるらしいので亜稀たちは自分でやる契約になっていたのでほとんど独り暮らしとかわりない。


一通り説明を受けた後さて夕飯だとなったとき、何故か亜稀が「瑞稀の料理おいしいんだよー」と自慢しだして、「そうなのー?食べたい食べたい!」と普通な反応を見せた理紗の為に瑞稀は夕飯をつくるはめになった。

きっと亜稀は自分で料理したくなかっただけなんだろうなと瑞稀は思った。


夕飯を終えても「ここに泊まる!」といってきなかった2人を追い出し、瑞稀は眠りについた。

だがしかし!瑞稀は2人を甘くみていたようだ。
実は管理人から部屋の鍵は一人2つずつ渡されたのだが、亜稀は瑞稀の部屋の鍵の1つを勝手に頂戴してきたのだった。



よい子はまねしちゃだめだよ!



その後瑞稀が寝た頃に亜稀は瑞稀の部屋に侵入し布団に潜り込んだ。



悪い子もまねしちゃだめだよ!


朝、元々早起きの理紗は6時に起きてしまったので身仕度をして瑞稀の部屋にいくと、亜稀が締め忘れたのか扉が開いていたので静かに侵入。




普通の子もだめだからね!



そして六時40分。昨日の疲れがたまっていたのかいつもよりも遅い目覚めの瑞稀さんが、違和感を感じて起き上がってみると隣に気持ちよさそうに眠る亜稀さんが。

リビングにむかうと字幕でテレビを見ていた理紗が。


…とそんなこんなで先程の騒がしい朝となったわけですよあっはっは。


はぁ。朝からこんなんで大丈夫なのかよ。






え?プリンを買いにいくのはどうなったかって?

風紀委員長さんの計らいで、まだあたしが学校になれてないだろいからと今度でいいといってくだすったのだ。

夕飯の時にふたりに今まであたしがどれだけ波乱万丈ドキドキの展開を繰り広げたのか愚痴ると

亜稀は瑞稀モテモテだねーと一言。

やっぱお前バカだ。

理紗は爆笑。

サイテーだこのやろー。


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