[携帯モード] [URL送信]

missing!
A

生徒会長のKYな発言により瑞稀はコーヒーを作りにきた。

生徒会室の奥にあった扉の向こうにはキッチンがあって、そこでいれてこいと言われた。

中にはいると学校にしては結構ひろく、流し台や冷蔵庫様々なものが置いてある。

棚の中を覗くと

コーヒー豆がズラリ。

インスタントではないんですね。
いや、まぁいいけどな。めんどくさいけど作れないわけじゃないし。
家で何度も作ったことがあるが、瑞稀はこの作業が結構好きだった。

あーでもいっぱい種類あるな。どれがいいんたかさっぱりだ。

しょうがない、聞きに行くか。


そして、瑞稀は生徒会室への扉を開いた。



ガチャ

「うぉっ」

あけたら目の前に壁が。


いや壁じゃなくて桐生なんだけど。

突然のことでびっくりした瑞稀は転けそうになった


こけそうな瑞稀を桐生が少女漫画の如く受けとめてくれるなんて事はなくて。

無情にも桐生は右にサッと避けた。

頑張って体制を整えようとした瑞稀の足に何かがひっかかった。



ビタンっ


瑞稀は床に正面激突し、何とも間抜けな音がした。

今絶対足引っ掛けられた!

絶対桐生だ。あたしを避けるためにスッと横に移動した際に片足だけ差し出したに違いない。


何すんだコノヤロー!

怒り沸騰中の瑞稀は身体はうつむせのまま、顔だけガバリと上げ、
いつの間にか目の前にいる桐生を睨み付ける。

そして怒りを込め叫んだ

「なにすんですか!!」


カシャ


瑞稀を待っていたのは楽しそうな桐生の顔と

携帯のカメラのシャッター音。


「おまっほんとふざけんなよ今すぐ消せ!今すぐ!ほんとなにすんだよ!」

あまりの怒りに敬語が消えた瑞稀。

や、結構前から敬語は消えていたきがするな。

そんな瑞稀をみてもひるむことなくむしろさっきより楽しそうにあははと爆笑し続ける



「あはははーなんか面白かったから。」

どS!?


いじめ!?

これっていじめだよな!



「あー先輩今の写メ私にも赤外線で送ってくださいよー!」

なんだか楽しそうだぞ亜稀。

そんな写真なにに使うんだ。

「いいよー」

陽気に亜稀に答える桐生。

「つーか消してないのかよ!」


「あー!亜稀携帯アドレスおしえろよ!」

とワンコ千秋が亜稀の携帯という言葉に吸い寄せられてきた。

俺もーわたしもーと次々亜稀のまわりに皆携帯を取り出しつつ群がる。


もはや扉の前で倒れているあたしなんか火中の外みたいだ。




あたし放置ですか。




…あーもう絶対生徒会なんかやめてやる!















「無理ですね。」

突然聞こえた声にびっくりして振り向くと、

「米澤!」

いつの間にかあたしの隣で米澤が倒れたままのあたしを携帯をプラプラもちつつ見てこう言った。


「また声に出てましたよ。脳ミソありますか?」


訂正。

あたしを見下し嫌味を放った。

「なっ」

うん。こいつはこういう奴だ。

言い返せなくて言葉につまっていると
はぁっと米澤はため息をはき

「いつまでねころんでるんですか。」

そういって手を伸ばしてきたから
手を掴んで引っ張りあげてくれるのかと思い、瑞稀は右手を米澤の方へのばしたが、米澤はその手を掴むことなく瑞稀の首根っこを掴んだ。
行き場をなくした右手が虚しい。
「ぅぐ」

首根っこを引っ張りあげられ、瑞稀は床に座らされた。


「はい、貴方も準備してください。」

「何を?」

「携帯に決まってるじゃないですか。」


「…え…」

てっきり皆さんあたしの携帯なんか興味ないと思ってましたよ!

当たり前のように瑞稀にもアドレスをききにきた米澤に瑞稀は感激である。

結構良い奴だな!


瑞稀も結構単純である。


それが顔に出ていたのか、米澤は面倒臭そうに言った。

「なに勘違いしてるんですか。あなたには明日もプリン買って来てもらわなければならないのですし、連絡出来ると便利なだけです。」

さり気なく明日もって言ったなこいつ。

明日以外にもプリン買わせるつもりなのかこいつ。

するとそのようすを見ていたのか女子2人が反応した。

「「私にも教えて(っス)よ」」

別にアドレス交換しなくていいや。と思っててもやっぱりそれは強がりなわけで。

本当は交換したかったわけで。

つまり瑞稀は嬉しいわけだ。


「何照れてんだようける!」


「うっさいくそ千秋」

照れてるところを見られるのって結構恥ずかしいんだからな!
指摘すんじゃねー!


「俺も教えろ。パシる時便利だからな」

今度はえらっそうに生徒会長さんがのたまった。

「黙れ。」

なんて失礼なやつだ。




「俺も教えてー。さっきの写メ送ってあげる。」

さっきまで亜稀と赤外線通信をしていた桐生がこちらへやってきた。

「いらねぇよ!」












生徒会はあたしの扱いはぞんざいだし、ボケ倒すし個性が強すぎる。

でも…なんかこんな掛け合いが楽しいと思っている自分がどこかに居て。
そんなに悪い奴らじゃないと思う自分もどこかに居て。


何だかんだ生徒会にいることになりそうだなと瑞稀は思った。




























『絶対…楽しくなるよ、瑞稀!』

亜稀のこの言葉を



今はしんじてみるっきゃないってな。










1話END









[*前へ][次へ#]

14/15ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!