missing!
女の子ズ
「つーか誰だよ!」
一応初対面だよな!初対面でこんな仕打ち!?
自分以外の女子全員(内2人は初対面)に重いジョークをとばされ、自分ってなんなんだろう…と軽くショッキングに陥った瑞稀だったがつっこもうにも誰かわからないため、瑞稀はとりあえずきいてみた。
瑞稀の問に一番はじめに反応したのは入学式で騒ぎを抑えたパッと見ヤンキーに見えなくもない頭とスカートの丈の生徒会副会長、鷹山凛。
大丈夫なのか校則違反とかしないのかこの学校。
でもなんかこの学校自由な校風だしな。
なんかもうきっと何でもアリなんじゃね!?
…話がそれた。
瑞稀の問にすみやかに副会長は応えた。
「ごめんごめん。自己紹介してなかったな。私は3年の鷹山凛。一応生徒会副会長ってことで亜稀と生徒会補佐についての相談をしてたんだ。その流れで瑞稀を探すことになったんだけど瑞稀探してる途中でいきなり亜稀がはしりだしちゃって」
はは、ちょっと焦った。と笑う凛はとても格好良くて女子生徒が憧れを抱くのも分かるな。と瑞稀は改めて思った。
だけどな!あたしを探さなきゃならなくなるような話の流れってなんなんだよ!
なんとなく想像できる自分が嫌だ。
すると次は私ね、という感じで瑞稀の前に進み出てきたのは凛の隣にいたショートカットの亜稀並みに小さい可愛らしい女の子。
彼女は瑞稀を輝かんばかりの笑顔で見つめ、がしっと瑞稀の右手を両手で握手した。
「どもっス!亜稀ちゃんの妹さん!初めましてっスね!2年生徒会書記の北川真琴っス!好きなものは少女マンガっス!もー亜稀ちゃん見たときはびっくりしたっスよ!少女マンガからでてきちゃったかとおもったっス!」
瑞稀の右手を掴んだ両手をぶんぶん振り回しながらマシンガントークである。
あーなんかテンション高いのきたー。
声だけ聞くとほんわかした声なのにこのテンションでは癒されない。
「やー、うちの学校外見良いのはそろってるスけど皆キャラ濃すぎっていうか、まぁ、主人公キャラがいなくてつまんなかったっス。そんな時!理想的な女の子が編入してきたじゃないっスか!編入初日から生徒会長にきにいられるし−」
どうしよう。長い。そして速い。
この声どっかできいたことあるかと思って脳内で瑞稀の記憶を検索すると、入学式のアナウンス席にいた女の子の声が浮かび上がった。
もしかしてあの子なのか?ともうすでに真琴の話を聞く気も消え去っていた瑞稀はぼんやりと真琴をみると
彼女は相変らず誰の声も挟ませず1人で語り続けている。
大丈夫かこの子。
「一で皆亜稀ちゃん争奪戦!みたいなラブコメを生でみられるスよ!?こんな面白いことないじゃないスか!性格も面白いし可愛いし天然純粋で私気に入ったっス!亜稀ちゃんの妹様!!亜稀ちゃんを私に下さいっスー!」
わーなんかいきなり亜稀嫁にいきそうなんですけどーびっくりー。(←突っ込み疲れ)
「違うだろ!うちの生徒会に欲しいんたけどいい?」
軽くべしィっと真琴の頭を叩き突っ込みを入れて瑞稀に言い直す凛。
どうやら副会長さんは突っ込み側らしい。
「どーぞどーぞ。てかそれはあたしじゃなくて亜稀が決める事だからあたしは関係な「ある!」…亜稀。」
「瑞稀がいなきゃ私入らないもん!」
もう決めたからね!という表情で挑むようにあたしを睨む。
「何でだよ」
あたしいなくてもいいだろーが!
「なんででも!瑞稀と私は一心同体!わかる?一心が同体してるんだよ?だからー、同体が一心しててーってアレ?」
うん。亜稀の説明はわかんねぇ
亜稀が一心同体の意味をしっかり理解してないに一票だな。
つーかこの変な空気どーしてくれるんだ亜稀。
変に静かだし。
もうあたしは居たたまれなくなって逃亡することにした。
「とにかく!あたしは入らないからな!」
そう叫んで瑞稀は3人の反応も見ず急いでクルッとターンしダッシュした。
寮はどこにあるかわかんないけど、まぁ誰かに聞いたりしたらわかるだろ。
とりあえずこの場から逃げる事が先決だ。
そう思い、瑞稀は取り敢えず走ってすぐ見えた進行方向先の階段をおりよう!と決意したとたん、後ろから「みずき!」と叫ぶ亜稀の声が。
ヤバイっ亜稀足速いんだった!
あせって後ろをふりむこうとした瞬間
バシっ
首の後ろに強い衝撃があたり
あたしの視界は真っ暗になった。
side凛
瑞稀が逃亡してから亜稀はものすごい勢いで瑞稀を追い掛けた。
走った方向の5メートル先には左にまがる角があってまがって真っ直ぐいくと、階段がある。
亜稀の足の速さでは角を曲がってすぐのところらへんで捕まえてくるんだろう。
そう思いつつ凛と真琴は亜稀の帰りを待つことにした。
亜稀が角を曲がったからもうすぐだなーと思っていると
「瑞稀!」
瑞稀を呼ぶ亜稀の声。そして
バタンっ
人が倒れる音がした。
ただ事ではないと思った凛と真琴は二人の元に駆け付けた。
タタタタタ
「亜稀!?瑞稀!?」
「どうしたんスか!?」
慌てて走ってきた2人がみたのは
「んもーいきなりはしらないでよねー。びっくりしておもわず手刀くらわせちゃったじゃん!」
そう言って汗を拭く真似をしている亜稀。
その側には瑞稀が倒れていた。
「…それはすごいな」
凛の突っ込みが力なく飛ばされた。
真琴は頭がついていけずぼんやりしている。
真琴が少女マンガの主人公と認めた少女が妹を気絶させるってどうなんだろ。
てかこの状況どうすればいいのかな。
凛は途方に暮れていた。
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