■また一人(END)
家に帰ると母は俺の部屋に入り、床のじゅうたんをめくる。
すると床にはなにやら開きそうな扉が出てくる。
俺は自分の部屋の床に扉があるとはまったく気付かなかったので、それを見ていたゆいと一緒に驚いた。
「うちの親族達が作った部屋なの…」
母がそういうと扉を開ける、すると階段が伸びていてさらに奥にも頑丈そうな扉がある地下室になっていた。
「どうしてこんなところを作ったの…?」
俺は問いかけるが、母は「ゆいはまってなさい」っと、俺を連れては地下室の中に入った。
真っ暗で何もみえず、俺は暗闇の中をキョロキョロと初めて入った地下室を眺めては周りを見渡す。
「ほんとは私はあなたをここで育てるつもりだったの…、でも今までできなかった」
そうつぶやくと母は入口に戻り、俺を置いては扉をガラリとしめてしまった。
急に完全に真っ暗になり、俺は「お母さん…お母さん?!」っと扉を強く叩くが鍵をかけられているようでまったくびくともしない。
すると少し「ゆうくん!…ゆうくんー!」っとゆいの叫び声が少し聞こえた。
それを聞き、"ここからでなきゃ"と思い、瞳が発光すると周りが少し見えるようになった。
それを頼りにいろんな壁を叩いてみるがまったくびくともしない。
俺はあきらめず叩いていると扉がもう一つあることに気付き扉を開けると、大きな柱が1本たっているだけの不思議な部屋だった。
"なんでこんな所に柱が…?"
俺は見とれてしまい、その柱に触ってみると不思議な感覚に襲われ急激な眠気に襲われる。
「ゆい…ちゃん……」
俺はその睡魔に負けてはそのまま柱の元で眠ってしまった。
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