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■危険なもの
学校に呼ばれた母は走って、相談室にゆいとゆいの担任の先生と一緒にいた俺の元へとやってくる。

「ゆうくん、大丈夫?」
近づいては来るが、相変わらず母は俺に触れようとはしなかった。

「おかあさん、ゆうくんがっこーでずっといじめられてたんだよ!
しかもゆーくんのたんにんはみてないふりしてるんだよー!」っとゆいが説明すると、「そうだったの…」っと母はつぶやいた。

「妹さんのほうからすべて聞きました、この子は深刻ないじめにあってます。
相手の生徒の保護者の方と相談して、改善しないと良くないと思います。」

そう先生がいうと母は俺に勇気を出して、そっと触れると「いえ、大丈夫です」っと首を横に振り、「帰りましょう?」っと俺に問いかけた。

「なんで??なんで?!」っと叫びながらゆいは母に、ポンポンと叩く。

「ゆうくん、もう誰もいないところに行きましょう、いいところがあるの、もうそのほうがいいわ」っと母は俺の頭を撫でる。
様子がおかしすぎる母に俺は無言で何も言えなかった。

「どうしてですか?!あなたはこの子の母親でしょ?!この子にちゃんとした学校生活を送らせてあげたいとはおもわないのですか?!」
っと思わずゆいの担任の先生は強く言いつける。

すると母は、「この子の母だからこそです。きっといじめてしまう子供たちは、きっとこの子がどんな子なのか本能的にわかってしまうんです…」っと言うと「やっぱりこの子は人がいるところには置いてはダメだったのよ…」っと悲しそうにいうと、俺を連れては相談室から早足で出ていった。

「なんで?!なんで?!ちょっと!ままー!」
っとゆいは走って追いかけようとすると、「ゆいさん、あとで詳しいことが分かったらまた聞かせてくれないかしら」っと先生に言われ、「うん…」っとどうしようもない感情を抱えながらゆいは小さく返事をしては、母を追いかけた。

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あきゅろす。
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