■興奮する体
目を覚ますと俺はいつの間にか自分の家に戻っていた。
起き上がろうとするとなんだか腕がいたい。
恐る恐る自分の腕を見ると、針に刺されたような跡がある。
まさか、俺はあの後…あの赤い液体を…。
っと動揺していると、「ゆうくん、起きた?」っと母が部屋に入ってきた。
「あの、俺はいったい…」っとつぶやくと、「心配したのよ、ゆうくんが倒れてたのを見つけた人がここまで送ってくれたの」っというと、「そうなんだ…」っと俺はいう。
山に行って怪しい液体を注射をされてしまったこと、母にいうべきだろうか…。
でも、黙っていってしまったし、きっと心配もかけてしまうだろうし、言いづらい…。
俺は言おうにも言えずに、「それじゃあゆいちゃん呼んでくるね、あの子心配してたから」っと、一旦部屋から母は出ていった。
けれどあれは俺が見たかんじでは、100%血液だ。
人の血液を入れて、山の人は俺になにをしたいのだろう。
いろいろと考えていると、急に体がドクドクと波打つ感覚に襲われる。
無意識に息が荒くなり、その感覚に俺は必死に耐える。
なんだか、だんだんと精神が興奮状態になってゆく。
なんだろうこの感覚。
しばらくすると「お兄ちゃんー、起きたんだねー♪」っとゆいが入ってきた。
俺は平気なふりをしつつ、「う…うんっ」っと返事をするが明らかに息が荒い。
「どうしたのお兄ちゃん?なんだか変だよ?」
っとゆいが聞くと、「まだちょっと気分悪いかも、もう少しだけねるね」っと、俺は答えると再び横になる。
「わかった、ゆっくり休んでね♪」っとゆいはいうと、ゆいも俺の部屋から出ていった。
はじめは「はぁはぁ」っとなってしまうほどキツかったが、横になって目をつぶると、だんだんとその興奮は収まってくる。
完全に落ち着くと、俺は疲れてしまったようで再び眠りに落ちた。
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