■霊崎一家
「え?え?どういうこと?」
祐太から家に帰りたくない事情を聞くがゆいはあんまり把握できなかった様子。
「それってつまり祐太くんとも親戚で、俺と同じ体を持った祐太くんの兄弟とお父さんが今もあの山に住んでるってこと?!」
話を聞いた俺も想像以上の事で思わず驚く。
前々からあそこは怪しいと思ってはいたが、まさか本当に、しかも祐太から聞くことになるとは思いもしなかった。
「でもおかしいよ、ままは私たち以外はいないって言ってるし…」
っとゆいが言うと、「いや、たぶん、母は知らないんだ、この話も俺達が出てった後の話だし…、母は俺達以外はみんな殺されたと聞かされてるだけなのかも」っと俺は冷静に返す。
「これふたりに言ったのおやにバレたら…
ほんとうにおれやばいかも…」
っと祐太は言うと、「それじゃあ…また学校で」っと二人にいうと家へ歩いていった。
「お兄ちゃん…ゆーたくんどうにかできない…?」っとゆいは俺に聞いてくる。
「どう聞いても虐待だよね…うーん…」っと俺は何か考える。
「たすけてっていわれたんだよ?!もうのりこんじゃおうよ!!」っとゆいは言うと祐太に付いていくように走った。
「あっ…ちょっ…」
俺は慌ててゆいを追いかける。
そして「だめだよ…話聞いた感じたぶん俺達が行くのはやばいよぉぉ…っ」っと気を弱そうにさせてゆいに声をかける。
「ふたりともついてくるとどうなるかわからないよ…俺んちはゆうみたいなのは反対派の一家だから」
っと祐太の言葉に構わず「すみませーん!!!」っと、ゆいは祐太の家のインターホンを押しては叫んだ。
相手は俺の親族なだけで手を出すやばい大人だ。
そんな人がゆいをみたらどう思うだろう…。
やばい、非常にやばい…。
俺はゆいをかばう様に前に出ると思わず構える。
しかしだれも出てこなかった。
「たぶん出てこないと思うよ、おれのおかあさんいつもそうだから」っといいながら祐太は家の扉を開ける。
「おかあさん、ともだち、つれてきた」っと、祐太は学校とは別人の様に暗く、静かにつぶやくと家に入る。
「ちょっと!誰も入れないでって言ってるでしょ?!」っと、怒っている女の人の声が響き渡る。
母が現れては、俺達を見ると、俺の母よりも更に怖がるように尻餅をついては後ろに下がった。
「ちょっ!!やめて!!祐太!!私はお父さんがトラウマなのは知ってるでしょ?!?」っと、祐太の母は絶対にこっちへとは来ない。
「大丈夫、ゆうはなにもしないよ、むしろこわがってるから」っと祐太は震えながらゆいの前に立ってる俺を見てはいう。
「あんたは記憶が薄いからそんなこと言えるの!!私はね!!その醜い生き物に何度も何度も…!!
もう思い出したくない!!さっさとでていきなさい!!」
っと、祐太の母はひたすら恐がって追い出そうとする。
「どうして?おれのお父さんと、ゆうはちがうよ…
それに、おれのにいにと、おとうとたちも、みんないい子だったのに…」
祐太はそういうと何かを思い出すように悲しそうな顔をしている。
「そんなの関係ないわ!!」っと祐太の母が怒鳴ると、何かに気づいたように急に落ち着いた表情になる。
俺達は疑問に思っていると、「ひあっ!」っとゆいの声が響き、振り返ると同時に俺達は大きな手に捕まった。
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