■女子の和 教室につくと俺は再びため息がつく。 やっぱりこの容姿だといじめられるんじゃないだろうか…。 そんなことをずっと考える。 勇気を振り絞って俺は教室に顔をのぞかせると、いつもどおりクラスは、俺なんかが入れないようなくらい、みんなワイワイとやんちゃをしている。 それでもゆいに言われたことを思い出す。 "堂々としたほうがいい"っと言われたこと。 俺は黒のランドセルに合わない容姿のまま、何事もないように教室に入った。 すると、みんなが俺に視線を送った。 それでもいじめられると無意識に警戒心だけは放出しながら机にランドセルを置く。 そしてランドセルをロッカーにしまおうとロッカーに向かうと、いつもとちがう違和感を感じた。 いつもはクラスのみんなにいたずらされてロッカーがゴミまみれなのに、今日はゴミが無い。 不思議に思いながらランドセルをしまうと机に戻り、静かに座る。 そういえば、机にらくがきもされていない。 おかしい、昨日まではあんなに酷いことになっていたのに。 俺は不思議そうに思いながら本を取り出すと、女子がふたりくらいこっちに近づいてきた。 俺はびっくりしておびえながら本で顔を隠していると、「ゆうくん、それゆいちゃんとおそろい?すごくかわいい!」っと俺の髪留めを見ながら声をかけてくる。 俺は恥ずかしくなって黙っていると、「見る見るー!」っと次々と俺の周りに女子が集まってきた。 困っている俺に構わずに、「ゆうくんもツインテールしよーよー!」っと、だんだん女子のお人形さんになってゆき、女子に髪をいじられまくる。 ゆいといい母といい、基本的に的に女子は髪をいじるのが好きなのか…? っと思うくらいいじり回される。 そしてさんざんいじり回した後、「ねえゆうくん、明日あそばない?明日みんなでお人形あそびするのー♪」っと1人の女の子が誘ってくる。 「う…うん」っと、返事をすると「やくそくね♪」っと何故かクラスの女子グループに歓迎されるようにお迎えされてしまった。 [*前へ][次へ#] [戻る] |