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■ゆいのクラス
今日は給食を食べたら学校も終わりだ。
俺は食いしん坊なのでご飯を食べる時間が1日の楽しみのほとんどと言っても良いほどだ。

俺のクラスは好きな人と席を一緒にしてもいいというので俺はもちろんひとりで食べていた。

はじめは誰かにご飯になにか変なものを入れられていたが俺には関係なかった。ただ、とにかく食べてるだけで幸せになれた。

紙くずなど大きいものはどかしていたが、途中からは消しカスを入れられようがなんだろうが俺はそのままを食べるようになり。流石に引いたのか、みんなはそれから俺の給食には手を出さなくなった。

給食だけは俺の時間。そんなきがするようになってきたある時だった。

「ゆーくーん!」
っと再び給食の時間にゆいが教室に入ってきた。

「ゆいちゃん?!」
俺は驚いた表情でひたすら驚き、そして余計なことを知られないかとにかく恐れる。

そしてそんな俺にゆいは「おにいちゃん、じつはおにいちゃんのたんにんとゆいのたんにんのせんせーが、いいよっていったから、わたしのきょーしつでいっしょにたべない?」っと言った。

俺はもう一度驚きながらも、さっきまでの孤独感から救われるように「行くっ 行くよ!」っと俺は給食をお盆ごと持っては、ゆいのところへ歩いた。

ゆいな嬉しそうな顔をしては「やったぁ♪」っといい、俺はゆいのクラスの教室で食べる事になった。


ただ、予測はしていたのだが、もちろんゆいはほかの友達も誘っていて、俺はゆいのグループに近づいては、再び人見知りをしてしまい、なんて声をかけようか、考えてみるが浮かばずにとりあえず立っていた。

ゆいのフレンドリーな性格はみんなにも好かれやすいようで、俺を含めて6人もいて緊張はするが、その中に尚樹の姿もいたので、ちょっと嬉しくなる。

俺はそのまま立ったままでいると、愛梨が机を持ってきては「これつかっていいってー」っと俺の席をゆいの隣に作ってくれた。
俺は「ありがとうございます…」っと言うとその椅子に座り、"また変な返事をしてしまった…"っと後悔するも、愛梨は既に分かっている上で一緒にいてくれているようで、「どういたしましてー♪」っと明るく返事をしてくれた。

俺とゆいと尚樹と愛梨と光虫ともう一人知らない女の子が一緒に食べていた。
その子は俺に微笑むと、「わたし、静香(しずか)っていうよ、よろしくねー、ゆうくんっ」っとちょっと天然そうで、それでもどこか大人っぽいしゃべり方の女の子が話しかけてくる。
俺は「よろしくお願いします」っとまた冷たい態度を取ってしまい、給食を一足先に食べ始める。

するとゆいは、「そーいえばおにーちゃん!」っと元気いっぱいに叫んでは光虫を指さしては「おにーちゃんじつはすでにほたるとともだちみたいじゃん!」っと叫んだ。
俺は「え?なんのこと?」っとわけがわからず考えてみるが、この子とは学校で以外あった記憶はなく、ポカンとしていると、光虫は「ち、ちがうよ……」っと、慌てて否定すると、「そりゃ………よくは…な……たい…けど…」っと、聞こえにくい小さな声で呟いた。

俺はなにがなんだかわからずゆいと光虫を見比べていると、「なんだ、ちがうのかー!ほたるがゆーくんみたことあるっていうからともだちかとおもったー!」っと残念そうにしている。そしておしゃべり大好きなゆいは再び「そーいえば!」っと叫んだ。

愛梨は思わずクスクス笑い「ゆいちゃんゆうくんがいるからって元気になりすぎだよー」っと言った。

「だってね!ほたるってかんじおにーちゃんなら書けるかなって!」っとゆいが言うと鉛筆を持っては「書いて!」っとゆいは自分の机を指さしながら俺に鉛筆を差し出した。

「え?なんで?」っと言いながら俺はゆいの机に"蛍"と"螢"の2つの文字を書いた。

「あれ?ふたつあるの?」っとゆいが呟くと、「うん、新しいのと古いのだよー」っと答えた。

そしてゆいは「でもほたるちゃんへんなじなんだよー!」
っとゆいは"光虫"っと書いた。

俺は、「すごい…変わった名前だね」っと言うと「は…はい……」っと俺と同じく人見知りをしているようで小さく照れながらつぶやいた。

「ゆうくんすごくあたまがいいのね」っと静香は感動していると、尚樹が「こいつほんばっかよんでるぜー!」っと叫んだ。
すると「なおきはバカだもんねー!」っと愛梨が言うと「ばかじゃない!てんさいだよ♪」っとノリノリで答え、「うそだー!!」っと愛梨とゆいの2人がかりで叫んだ。

ゆいと愛梨は尚樹の椅子を倒して遊び、尚樹は「うわぁ!」っと転がり落ちる。
その絡みを見て静香はニコニコとしてる。

俺と光虫も思わずクスりと笑った。

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