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■決意(END)
温泉から出ても、修斗達と俺達は仲良くおしゃべりしていた。

「凄い、そっくりだね」っと修斗は、俺達双子を見てはびっくりしている。

「ゆいだよー、ゆうくんの妹なのー!」っとゆいが修斗に言うと、「もしかしてお兄ちゃん友だち作ったの?!すごい!!」っと目を輝かせながら俺の方を見る。

「俺の…ともだち…?」っと、俺はボソリと恥ずかしそうに言うと、「まぁ俺の方がせんぱいになるけどねー♪」っと修斗は俺の頭をなでる。

「ゆいもー!お兄ちゃんの友だちはゆいの友だちだもんねー!」っと、ゆいも修斗の元へよっては自分の頭をトントンと指差す。
「しかたないなー♪」っと修斗はゆいの頭をなでると、「やったぁ♪友だちふえた♪」っと嬉しそうにはしゃぐ。

それからいろいろしゃべった後、それぞれの部屋に戻る。

「なんだかお兄ちゃん、あの子のおかげで元に戻った気がするね」っとゆいが俺に言うと、「うん、でもやっぱり人は怖いかな…」っと、最近距離を置いていたゆいに、また少し距離を縮めて言う。

「そっか…、でもお兄ちゃんは1人じゃないんだからね
ずっとゆいがいるから!」
っと、ゆいはもぞもぞと布団に入る。

「ありがとう…」っと小さくゆいにいうと、ゆいは布団で目をつぶった一瞬で、すやすやと眠りに落ちていった。

それを確認すると、俺は「お母さん…」っと母の元へとゆく。

「どうしたの?」っと母は問うと、「俺やっぱり、学校に行く…、嫌なこと待ってるかもしれないけど…このままだとダメな気がするんだ…」っと母に言う。

「どうして?!…そしたらまたいじめられちゃうわ…」っと母が心配そうにする。

「俺は戦うから… 大丈夫…
それより…お母さんが一体何を心配してるのかわからない。
俺がストレスを貯めたら一体どうなるの…?教えてよ…」

っと母に言うが、母はだんまりになってしまう。

「お母さんはそうやっていつも何も教えてくれない…」っと俺は母につぶやくと、母は言葉をしばらく探した後、「それはたぶん…私が閉じ込めちゃったせいで、ゆうちゃんはもう分かってしまったと思うわ…」っと母は俺の腕を見ながら言う。

すると、フッと腕を噛み切ってしまったおじさんを思い出す。

「おじさん…大丈夫かな…」っと俺が暗く小さくつぶやくと、「ええ、もうすぐ退院するって言ってたわ」っと母が返す。

「それとね、ほんとはあのおじさんには、ゆうくんを学校に行かせてないこと、ずっと怒られてるのよ」っと母はいうと、俺の頭をなでる。

「あのおじさん…何者なの…?遠い親戚だって聞いたけど…俺達のことすごく知ってる…」
っと俺が言うと母は「そうね、私のおじいちゃんの兄弟の子供の子供だから結構遠いわね…、私のお兄ちゃんと仲が良かったからあなたにも愛着があるのよ」っと言う。

お母さんにお兄ちゃんがいた…?
まさか母に兄がいたとは聞いたことがなかったので思わずびっくりする。

「学校ね…良いわ、そのかわり閉じ込める日が早まることになるかもしれないけれど…今自由なうちに、これからの対策、じっくり考えましょ
もしかしたらみんなの協力で閉じ込めなくても大丈夫になるかもしれないしね」

っと母は前よりは安定しているようでそう言ってくれる。
きっと母も母で、おじさんに支えてもらったおかげで精神的に落ち着いてきたのだろう。

不安で不安で、でもひとりで抱え込んで、それでも自分のことを心配してくれる人がいることに気づいて、母もきっと俺と同じだったんだ。

そして俺の戦いは、これからが本番なのかもしれない。

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