[携帯モード] [URL送信]
■突然の一言
それは突然、ゆいの一言からはじまった。

「まま!おんせん行きたい!」っとゆいは言いだす。

「どうして?」っと母は聞き返すと、「おんせんは、なやみもすとれすもパー!ってとんでくってパパが言ってたよ!」っとゆいが話すと、じっと母が父の方を見る。

「あ、いや、ほら…最近うちんち重い悩みが多いからな
ゆいがストレス解消法みたいなの聞き出して、流れでなんかそう言っちゃったんだ」っと父は困ったように答える。

母はゆいの前でしゃがむと「お父さんが良いって言ったらいいわよ?」っと言うと、「じゃあパパ決まりねー!」っと、勝手にゆいが叫んで決めてしまう。
そしてゆいは俺の前に走ってきては、「ゆうくん!おんせんだよ!これでゆうくんもストレスとんでくねー!」っと言う。

俺はビクッと体をはねらすと、ゆいから離れてソファーの後ろに隠れた。

「もー、ゆうくんにげないのー!」っとゆいは俺を捕まえる。


温泉か…、そういえば今まで行ったことないな。

「ゆいは早くお兄ちゃんがげんきになってほしいのっ」っとゆいは言ってくれるので、「ありがとう…」っと俺は弱い声で返した。

それが嬉しかったのか、ゆいは鼻でフフンっと言う。

「昔は周りを気にして遊びに行ったりできなかったし、そろそろいいかもしれないな」っと父はいう。


そんなこんなで俺たちはなぜか次の休みに温泉に行くことになった。

[*前へ][次へ#]
[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!