■いじめ
授業はとても苦痛だった。
わかってはいたのだが、はじめはひらがなやカタカナを書くところからはじまった。
すでに本を読んでいたせいか、字は漢字を含め基本的なものは覚えていたので、一生懸命読み書きをしているみんなの中にいるのが、ものすごく場違いなような感じがして、居心地がものすごく悪かった。
それでも俺は勉強は楽しみにしていたので"頑張ろう"っと思い、自分は普通に真面目にやっていたつもりだった。
だけど、そんな俺に先生は声をかけることは無かった。
時々何かある度にクラスの子が俺にものを投げたり、叩いたりしても何も言うことは無かった。
それに気づいた子供たちも、だんだんと俺へのいじめがエスカレートしていった。
机は何回消してもらくがきされ、ロッカーや引き出しにはゴミなどを詰めこまれ、最近になると
下駄箱にもものが入れられるようになった。
ひどい時は靴の中に画鋲が仕組んであったり、視線が合うだけで髪を引っ張られたり切られたり叩かれたり、とても耐えられずひとりで机や教室の床で「やめてよぉ」っと声を上げて泣いていても、「ないちゃったよー」っと笑うばかりで誰も何も言ってはくれなくなった。
最近は特に、すぐに発光してしまう目を隠すため、酷いことをされる度に泣いては目をつぶって隠すようにしていた。
こんなものを見られるよりは、泣いてしまった方が気は楽だった。
そして明るいところにいれば、瞳が発光していてもバレないことに気付き、明るいベランダに閉じ込められた時は、あえて落ち着くまでは、その場所から動かないようにしたりもした。
そんな生活を続けては7月になり俺がずっと想像していた最悪な事態がついに起きたんだ。
基本的には友達と遊ぶことで忙しかったゆいが、突然俺の教室にひょこりと現れるようになった。
俺はゆいにだけは泣いてる姿は見られたくなかったため、俺は慌てて教室からでては逃げ出すようになった。
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