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■怪我の理由(END)
「ゆいちゃんそれかわいいねー!」
っと、ゆいが学校について早々、愛梨がゆいの小鳥の髪留めを見ては目を輝かせている。
もともといつもツインテールにしていたし、せっかくなので白色と黒色の小鳥さんを1個ずつ右と左につけてみた。

「うん、なんかもらったんだよね…だれからもらったかわからないんだけど…」
っと言うと、「どういうこと?!」っと、愛梨は不思議そうにしている。


教室についてランドセルをしまうと、さっそくゆいはお兄ちゃんのクラスに向かう。

もちろんしつこいくらい祐太くんを説得するためだ。
けれど最近やりすぎたというか、ひたすら声をかけていたので、祐太くんのほうも警戒がするどくなり、クラスをのぞき込んでも祐太くんの姿がない。

「あれ?ゆうたくんは??」っと、クラスの男子に聞くと、「ゆいがめんどくさいからにげる、って言ってたぞ」っと答えてくれた。

やっぱり祐太くんは話をするだけじゃダメなのかな…、っと頭の中で考える。

しばらくすると愛梨がやってきては、「ゆうたくんがなんか保健室で捕まってたよー」っと教えてくれた。

保健室…?なんで?

っと思いながらゆいは「ありがとう!」っと言った後に保健室に向かおうとする。

「そういえばゆいちゃん!」っと、愛梨は保健室に行こうとするゆいを引き止めた。

「なになに?」っと振り向くと、愛梨はゆいをじっと見つめる。

「あのね…私、ゆいちゃんと祐太くんって仲良くなれると思うんだよね」っと言う。

ゆいは、「え?!なんであんなやつと?!むりだよー!」っと叫ぶと、ゆいは再び保健室の方へ体を向かせて走っていった。

保健室につくと、保健室の中の様子を遠くから伺う。

「こんなのへーきなのに…」っと祐太くんがつぶやいているが、頬を怪我したらしく、保険の先生が「だめよ、ちゃんとしないとバイキンが入るんだからね!」っと消毒液のついた棉でチョンチョンと手当をしている。

ゆいは、"なにやってるんだか…"っと思いながら遠くから見ていると、「霊崎(れいざき)さんの親、何か変よね、怪我があまりにも多いから何度も電話したんだけど…」っと保健の先生がつぶやくと、「またでんわしたの?!おねがいやめてよ!!」っと、祐太は慌てた様子になる。

「もしかして両親のどちらかに怪我させられているの??」っと先生が聞くと、「ちがうよ、やらなきゃいけないことをやっているだけ!」っと祐太は言い張り、逃げるように保健室を出る。

すると保健室の外から隠れて見ていたゆいと目が合ってしまう。

「ゆうたくん、おとうさんとおかあさんにいたいことされてるの…?」っと思わずゆいは祐太くんに問いかける。

すると祐太は「ちがうしっ」っと言いながら、首を横に降ってはゆいからも逃げるように走っていってしまった。

もしかして祐太くんもお兄ちゃんみたいに何か不幸なことが起こっているのだろうか。

「あの子、いやがらせでしか人と会話ができなくなってる気がするわ
もしかしたらなにかあるのかも…?
桃咲さんも、あの子のことなにかわかったら教えてくれる?何気にいつも仲いいわよね」っと保健の先生がゆいに話しかける。

「ええ?!ゆいはぜんぜんなかよくないよ?!」っと全否定するように首を横にふりまくる。

「でも普通に会話してるのはお友達とゆいちゃんくらいよね」っと保険の先生が言うと、「ちがうっ、ゆいの場合はゆいのほうが強いからだよー」っと言い返す。

でもたしかに祐太くんはクラスの中心と言ってもほとんど攻撃的な性格のせいで上に上がってるって感じがする。

それに比べてゆいとはまともに絡んでるほうなのかも。

それに祐太くんときちんと仲良くなれば、お兄ちゃんへのいじめもなくなるかもしれない。

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