■複雑な気持ち
意外と簡単とはいえないが、とりあえず不思議なおじさんにあっただけで、兄とまた合うことができそうで内心ホッとする。
はじめにおじさんを見た母はとてもびっくりしているようだった。
お兄ちゃんを閉じ込めていることを知られると、そのおじさんに対しての母はすごく弱くなるようだ。
どうやらふたりはなにかあった(?)のかもしれない。
「で…でもほんとに出しちゃうの?」っと母は異常に不安そうにしている。
「大丈夫さ、今ならな
まだ間に合うさ」
っとおじさんは鍵を持ってきては地下室に近寄る。
するとゆいの父も、地下室の前に近寄った。
「ゆいちゃん、私達は向こうに行きましょ」っとゆいを抱き抱えて母は部屋の隅に寄る。
「いいか、いろいろ迷うこともあるかもしれないが、1度決めたことはちゃんと貫け。
それがたとえいけないことでも、それが俺達の望む世界なんだからな。」
っと、いいながらおじさんは地下室に入っていった。
早くゆうくんに会いたいという気持ちが消えるほど、なんだか凄く怖い空気だった。
「私も行きますっ」
っとゆいのお父さんも、兄がいる地下室に続いては入った。
すると、中でゴンゴンっと、ものすごい音が響いた。
それが何か怖かった。
「お兄ちゃん!!」
ゆいは怖くなりながらも慌てて、母の手から飛び降りて地下室へ走っていった。
「ダメよ!ゆいちゃんっ!」っと母はゆいに手を伸ばす。
ゆいが地下室に入ると、中からすごく変な匂いがした。
なにこれ……。
だんだんとゆいの目が暗闇に慣れ始め、だんだんとその状況が見えてゆく。
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